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2019.11.28
カテゴリ：心に浮かんだこと
一昨日は２２℃を記録したかと思えば昨日今日は日中でも １０℃にも満たない気温である。 テレビも１０月中旬の気候と言ったり、１２月下旬の気候と言ったり、 さらにご親切に上着がいるとかコートがいるとかかしましい。 そんなことは個人の感覚で人それぞれなのだから余計なおせっかい であるがそういってしまえばテレビの営業妨害かもしれない。 そんな情報に振り回されながら服装を変えて散歩に出かけている。  ふと足元を見れば確実に冬がやってきており、遊歩道は桜の落ち葉で 彩られ、吹き溜まりはドングリの実で覆われ踏むと音を立てる。  散歩道は石神井川に沿っているが橋の袂の所々に休石がある。 碁盤や将棋盤を刻んだ石が置かれているが、ここで碁や将棋を 打っている人を見かけたことがない。隣には都営住宅が並んでおり、 ここには多くの中国残留孤児の方々が住んでいる。 平成の初めの頃、毎年テレビで肉親を捜す彼らが映し出されたが 多くは身内が見つからないまま帰国したり、一度肉親に巡り合えても 居心地が悪く、独立した多くの人たちがここに住んでいる。 老人となった孤児たちは日本語もままならず毎日、 毎日駅前に集まっては中国将棋にふけっていた。 最近は孤児達が連れ帰った２世３世たちが多くなり、 駅前の集会もあまり見られなくなったが、 かってはこの座石にも多くの孤児たちが座ったものである。  緑色のオブジェは三波石である。これは緑色片岩と言う石で 群馬県の三波川流域に多く見られ、私の住む近所の寺などにも この庭石が多くかざられている。  この緑石がなぜ私の目を引くのかと言えば、私の実家に兄が 設えた庭の中心にこの石でできた石灯篭と野外セットがあるからだ。 しかし実家の所在地は徳島の吉野川流域で、この地方では 昔から「阿波青石」と称するこの石が作庭に多く使われ、 屑石は敷石などに汎用されていた。 三波（さんば）石も阿波の青石も同じもので関東地方では群馬県の 三波川流域や秩父地方、四国では徳島や愛媛（伊予石）で産出する。  遠く離れたこれらの地方には何の関連もないように見えるが 実は同根である。 下に示した日本地図に引かれた中央構造線（帯）と呼ばれる 一本の赤い線がこれらの地方を結び付けている。 注意深く見てみると、この線は熊本南部に発し豊後水道を横切り 愛媛から吉野川沿いに徳島を通過し、熊野、志摩・三河湾を 経て諏訪に至っている。ここでフォッサマグナと出会い 寸断されて多く断片に分かれ、事実上消滅しているが その一つが群馬県の三波川二沿っているものと考えられる。 中央構造線は巨大な活断層で、私の想像では近年の熊本・阿蘇地方での 多発地震も、信州や茨城県霞ヶ浦近傍での多発地震も この断層に関連あるのかも知れないと思ってる。 この中央構造線に沿って南側には三波川変成帯と呼ぶ地層があり、 北側には領家変成帯と言う地層が伸びている。 この三波川変成帯の露頭が地表に現われているのが秩父長瀞や 群馬県三波石狭であり、伊予・阿波地方と言うわけだ。  フォッサマグナで思い出されるのが三船敏郎・石原裕次郎主演の 映画「黒部の太陽」である。 今私達は信濃大町側から難なくアルペンルートを通って黒部に行き 雄大な景色を楽しんでいるが、この北アルプスの胎内を貫通する トンネルはもちろん観光用に作ったものではない。 黒四ダム建設のための資材運搬路として掘られたものであるが この掘削にはフォッサマグナを貫通しなければならなかった。 アルプスの雪解け水が工事現場の断層から滝のように噴いてきた。 映画は困難と戦う男たちのロマンあふれる物語で、 その凄烈な場面は黒四ダムの存在を強く印象付けた名画である。  取り留めもないことを綴ったが「つれずれ日記」に免じて乞赦免。 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
Last updated
2019.11.28 17:28:05
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