水門
水門(閘門、Lock)水門とは河船運行に特有のもので急流や落差のあるダム(堰)を行き来するデバイスで、正確には閘門(Lock)と言うものである。今回のロシア船旅の航路標高差を示すのが下の2枚の図である。下の図は右上のモスクワ川から始まり3つの水門を経て船は一気に42mも昇る。後はモスクワ運河を経てボルガ河に入りゆっくりとヤゴスラブリまで下ってゆく。後はまたボルガ河を遡り、広大なRybinsk貯水池を経て今回の水路の最高点(バルト海海面より112m)に上り詰める。 あとは下の図に有るように連なる水門を通って一気に標高を下げ途中Lake white, Lake Onega, Lake Ladogaを通ってサンクトペテルブルグ(標高 ゼロm)に達する。 私が今回楽しみにしていたのが多くの水門通過だ。そもそも私がLockに興味を持ち出したのは下の写真である。 20数年前に友人がStradford upon Avon を案内してくれたときこのような手動の水門を通過するナローボートを発見した。この堰板を開閉するのは上部の大きな横棒である。腕では支えきれないので御尻で棒を支え腰で操作する。操作を終えたお父さんが家族の乗ったナローボートの上昇を待って居る。このときばかりは家族全員が動員される。この家族の連帯がナローボートトリップの大切なとこららしい。 下の写真も昔のものだがこれはモーゼルの急流を下った時のLockでこれは急流を下るデバイスだった。ラインと違って大型船がモーゼルを航行できない理由がこれである。 下図は今回の旅で初めの頃に通ったモスクワ運河のLockでなかなか立派なものであった。絵の最左端、橋の上に人が見張っており(見えるかな?)、水が満ちるとやおら河岸に降りてきて堰板を開けていた。 段々と立派な水門が現れ、ステーションが両側に立ち立派な彫像装飾まである。 最初船が入ったときの水位は下の写真で壁がぬれている位置である。これだけ一気に船を上げたり下げたりできるわけだ。 今回の船旅で最後に通った水門は実に立派なステーションを持っており、すべてが電動式であったが両側タワー部の上方に見張りようバルコニーが見え、なんだか小さなお城の観を呈していた。最初の写真と最後の写真を見比べて同じ水門でもなんと違うものだろう。 なにはともあれ水門見物と言う点では大いに満足の旅であった。