タジタジ☆マハル

2009/08/11(火)12:15

「漂泊の牙」 熊谷達也

読書/小説(601)

雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。 現場付近では、絶滅したはずのオオカミを目撃したという噂が流れる。 果たして「犯人」は生きのびたニホンオオカミなのか? やがて、次次と血に飢えた謎の獣による犠牲者が…。 愛妻を殺された動物学者・城島の必死の追跡が始まる。 獣と人間の壮絶な闘いを描き、第19回新田次郎文学賞を受賞した傑作冒険小説。 漂泊の牙 (集英社文庫) なかなか面白かったですー! 先日読んだ「ウエンカムイの爪」のような動物色の濃い話なのかな~と思ってましたが、 それほどでもなく、 全体的にはどちらかというと、ミステリというかサスペンス色の濃い話だったかな。 まあ、もちろん絶滅したとされるニホンオオカミのことや、 サンカと呼ばれた人々のことなど、とても興味深いこともたくさん書いてあって、 いろいろ勉強になりましたけどね 前半は、何人もの人を食い殺した獣…オオカミとみられる動物を追う展開、 そして、後半は、オオカミ犬を作ったのは誰かという謎と、 それにまつわる人間ドラマについての話が進んでいきます。 オオカミ犬というと、乃南アサさんの「凍える牙」が思い出されますね。 ワタクシは、「凍える牙」を先に読んでいたので、 本書の謎のオオカミについても、もしかして…と思ってたら、 やっぱりそうでしたねー。(←あ、ネタバレスミマセン…) でも、オオカミって、 本来は臆病で、とても用心深くて、滅多に人を襲うことなんてない動物なんですねー。 それが、「赤ずきんちゃん」など、西洋童話の影響のせいか、 狼 = 悪い動物、みたいな図式がすっかり頭の中に刷り込まれちゃってて、 今ではあまりいいイメージがないですよね。。 そのへんも、この本で、いろいろ勉強になりました 面白く読めた一冊でしたー♪

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