2010/02/11(木)10:59
「膠着」 今野敏
創業以来の危機を迎えた老舗の糊メーカー「スナマチ」。
起死回生をかけて新商品の開発に力を注ぐが、なんと完成したのは「くっつかない糊」だった!
新入社員の啓太とベテラン営業マンの本庄は、商品化するべく日夜、頭を悩ませるが…。
今野敏が贈る、ユーモアたっぷりのサラリーマン応援小説。
膠着 (中公文庫)
敏様には大変珍しい企業小説(?)。
でも面白かったですー!
三流大学を出て、やっと老舗の糊会社スナマチに入れた新入社員・啓太。
ところが、アメリカ企業によるスナマチ乗っ取り計画や、
新製品開発失敗の危機が会社を襲い、
さてどうなる!?といったお話ですが、
さすが敏様らしく、爽やかで後味スッキリな結末でしたねー。
最後には啓太の成長ぶりもうかがえたし、
何と言っても、啓太とコンビを組むベテラン営業マン・本庄のキャラが面白かった~♪
どんなものでも売ってみせると豪語する本庄が、めっちゃカッコよかったです~~
しかしまあ、会社勤めってタイヘンだよね~。。
世の中のサラリーマンの皆様、ご苦労さまですね
で、最後の方で、
「アメリカの真似をしても、日本は豊かにならない気がする。…(中略)…。効率だけを追求して一部の勝組を作っても誰も安心しない。将来の不安が募るだけだ。不安だと人は金をつかわない。金が回らないから景気の底上げができない」
という本庄のセリフがありましたが、
今の世の中、確かにそうだよねぇ~と思ってしまいました。。
古い体質が時には邪魔になることもあるでしょうが、
日本企業には、アメリカ企業にはない昔からの日本企業の良さもあり、
(年功序列、終身雇用など)
やっぱり何よりも安心して働ける環境こそが、まずはあるべきですよね。
まあそこらへんは経営者の考え方次第なんでしょうが…。
(え? 今の世の中、そんなに甘くないってか!? 笑)
まあとにかく、今の不景気な世の中をどうにかしてもらいたいです、ハイ