実は年末に買っていたＣＤなのですが、何だかんだで忙しく、今日やっとのんびり聴く＆観ることができました。

　パーカッショニスト田中倫明さんのソロプロジェクト「ロマンチカ」の三枚目のアルバム「イーハトーヴ浪漫～IHATOV "El Dir Y La Noche"」です。
　どうして、このアルバムに惹かれたかというと、このＣＤのテーマが「宮沢賢治」という一点にあります。
　ＣＤの背ラベルにも引用されていますが、賢治は次のような言葉を残しています。


　詞は詩であり
　　動作は舞踊
　音は天楽四方
　　かがやく　風景画
　　　　　　　　農民芸術概論綱要より


　賢治自身、詩と音楽、舞踏などは密接に関わっており、身近にある自然や芸術に親しむ心が理想郷（イーハトーヴ）に繋がっていくと考えたのではないでしょうか。
　今回、このＣＤの作者である田中倫明さんは、この賢治の世界観をしっかり音楽で表現しています。また、一緒に入っているDVDには、この音楽から広がる画像も収録。音楽と画像のコラボを楽しめます。

　小説や童話、詩などは文字で表現されるため、そこで想像される映像や音は読み手に委ねられるのが普通です。しかし、このＣＤでは、あえてそのイメージを形にするという一種の挑戦にも思えます。
　実際、ぼく自身が賢治の作品を読んで思い描いていたイメージとこの作品のイメージは同じではありません。ただ、賢治の作品からこういうイメージのとらえ方もあるという、新しい発見があったように思います。
　賢治の作品を読んだことのある方は聴いてみる価値有りますよ(^_^)

　賢治の作品にあまり興味のない方でも、きれいに広がる音世界と、それに合わせて展開される映像は、とても美しく、心落ち着くものですので、リラクゼーションＣＤとしてもいいですよ！


田中倫明／ロマンチカ
「イーハトーヴ浪漫～IHATOV "El Dir Y La Noche"」
(CD&DVD二枚組)
CD収録曲
１：イーハトーヴ
２：風野又三郎
３：Interlude「銀河ステーション」
４：シグナレス
５：カムパネルラ
６：Interlude「種山ヶ原」
７：十力の金剛石

DVD収録曲
１：イーハトーヴ
２：風野又三郎
３：シグナレス
４：カムパネルラ
５：十力の金剛石