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2007.01.23
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 「飛行機の翼って鳥の羽みたいにはばたくんだね」と、お客さまがおっしゃるのを耳にすることがあります。金属でできている硬い翼がはばたく? 不思議に思うかもしれませんが、翼の近くの席に座ったときなどに、実際、翼が上下にしなやかに動くのを目にした方もいらっしゃると思います。もちろん、鳥の羽のように大きくパタパタはばたいているわけではありません。実は、気流の悪い場所を飛行しているとき、気流の変化によって胴体や翼が揺さぶられるために、はばたいているように見えるのです。

 飛行機のいくつかの翼の中で、一番大きな翼が主翼です。これは名前からもわかるとおり、機体を大空に舞い上がらせるために、最も大切な役割を担っている翼です。
 まず、主翼を断面から見てみましょう。翼の断面は、丸みを帯びた箱のような形をしています。この形は、翼型と呼ばれています。翼型は、一見同じ形をしているように見えるのですが、十人十色、人の形が違っているのと同じで、機種によって違った形をしています。この翼型は、飛行機を設計するときに、製造会社が苦労する点のひとつです。というのも、少しの形状の違いが飛行機の性能に大きく影響するからです。

 次に、主翼の骨組みを見てみましょう。主翼の骨組みで、まず目につくのは、胴体から左右に伸びる3本の細長い板です。これを桁(スパー)と呼んでいます。桁と直角の方向には、小骨(リブ)と呼ばれる短い板が格子状に交わっていて、主翼の骨組みを上から眺めると、ちょうど障子の桟のようになっています。そして、障子紙の役割を果たしているのが外板(スキン)です。障子紙と違うのは、外板は片面だけでなく、桁の上面と下面の両面に貼りつく形になっていることです。

 また、主翼は、飛行機が浮き上がるための力である揚力を発生させるため、離陸時には上方に反り返ろうとします。つまり、主翼の上面では外板に押し縮める力が働き、下面では引っ張る力が働くのです。そのため、外版の材料には、上面と下面では、それぞれ別の性質の力に強い、異なった種類のアルミ合金が使用されています。

 さて、主翼を設計するときに、一番大切なことは何だと思いますか? それは、しなやかな翼であるということです。そのために、主翼は、桁と外板とを組み合わせることで、ヨジレにも強い設計になっています。では、なぜしなやかな翼にする必要があるのでしょうか? たとえば、ビスケットとこんにゃくを、それぞれ握りこぶしで叩く場面を想像してみてください。ビスケットは、ある程度の大きな力がかかると、パリッと音を立てて割れてしまいますが、こんにゃくは、叩いても、プルプルと震えるだけで、また元の形に戻ります。これは、こんにゃくが、弾力をもって力を受け止めることで、その力を分散させているからです。

 主翼も、これと同じ発想でつくられています。つまり、乱気流のような激しい気流に遭遇しても、しなやかに主翼が動くことで、翼にかかった力を分散させているのです。それだけではありません。翼が受ける衝撃を減らすことで、お客さまが乗っている胴体の揺れも小さくすることができます。
 飛行機の主翼も、機内のシートと同様、お客様に快適な時間を過ごしていただくための一役を担っているのです。

文=足原 靖(日本航空羽田整備工場)





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最終更新日  2007.01.23 07:22:14
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