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2007.07.05
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飛行機の利用は、私たちの生活の中で最も速く移動できる交通手段ではないでしょうか?飛行機が速く飛べば、お客さまはより早く目的地に到着し、長時間滞在する事ができます。また、飛行時間が短くなれば1機あたりの1日に飛ばせる便数を増やすことが可能となり、空の旅はより便利になるでしょう。なんだか良いことばかりのようですね。

 ところが、実際には、飛行機は最高速度で飛んでいる訳ではありません。というのも、飛行機が最大出力で飛行し続けると、機内のお客様に振動や揺れが大きく伝わり"快適な空の旅"とはいかなくなってしまうからです。また、エンジンや機体の寿命を短くしたり過大な燃料を消費するため経費がかさみ、お客さまにご迷惑をかけてしまうことになりかねません。さらに、大きな騒音がでるため、周りの環境への影響も心配されます。飛行機は早く飛べば飛ぶほどいいとは限らないのです。それでは最適な飛行速度とは何なのでしょうか?

 近年登場している飛行機は、フライトマネジメントコンピュータ(FMC)と呼ばれる最新のコンピューターが搭載され、経済的な速度を計算し、そのスピードで飛ぶように推力レバーを調整する仕組になっています。このスピードは経済速度(エコノミック・スピード)と呼ばれ、1便を飛ばすために必要な費用と燃料費から算出されるコスト・インデックスという数値を使用して弾き出されています。

 ところで、飛んでいる飛行機が経済速度まで推進力を絞るわけですから、そのままでは前方に進む力が弱くなり、飛行機は降下し始めてしまいます。そこでFMCは飛行制御用のコンピュータに指令を出して機体前方を上げるように指示します。そうすることで飛行機は機首を上に持ち上げながら前に進んでいくような格好になります。犬掻きで泳ぐような状態といえばよいでしょうか?

 これが飛行機が最も経済的に飛ぶときの飛行姿勢となります。この時の進行方向に対する機体の角度は約3度といわれています。機体全体が3度傾いているわけですから、客室乗務員が機内前方から後方へカートを押すときは楽なのですが、逆は大変重くなると聞いたことがあります。また、皆さんのシートについているテーブルも実は3度ほど前下がりについているんですよ。

 ちなみに、経済速度で飛行すると到着時刻が遅れるような場合には、パイロットの判断で経済的速度より速く飛ぶこともあります。飛行制御のシステムも、パイロットが自ら操作を行えば、パイロットの操作が優先される仕組になっています。FMCは推進力や飛行姿勢に指令を出すとても優れたコンピュータですが、すべてがコンピュータ任せ、ということはありませんので、どうぞご安心を。

文=足原 靖(日本航空羽田整備工場)





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最終更新日  2007.07.05 08:14:38
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