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2009.04.26
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カテゴリ:「京」ものがたり
「ちょっと言いたくなる京都通」として奥深い京都の良さや
京都の人も知らない情報などをおりまぜながら、
わかりやすく紐解いていきたいと思います。
ぜひ身近に京都を感じてください。

今回のテーマは「京都の祭」です。
・歴史が古いからこそ、多くの祭りが生まれるんどす。
・神輿や山車は、やっぱり見ものどすなあ。
・神社の祭りに使われる『榊』にも意味がおます。

■ 歴史が古いからこそ、多くの祭りが生まれるんどす。
祭りとは、読んで字のごとく過去の事物を「祭る」こと。歴史の深いところに多くの祭りが生まれるといいます。
京都では三大祭と呼ばれる「葵祭」「祇園祭」「時代祭」を中心に、年間300以上の祭りが行われています。
さすが歴史ある土地ですよね。

また、日本の芸能のはじまりは「祭り」からだといわれています。
例えば「能」は南北朝の内乱をきっかけに、近畿にある農村の祭りで演じられていた神事猿楽がはじまりだと伝えられています。遠くから神が訪れ、その神をもてなすための儀式だったのが、やがてひとつひとつの芸能として独立してゆき、進化しながら現在のカタチになっていったということ。
歌舞伎や能・狂言などが京都から生まれたのもうなずけます。

そもそも、祭りのはじまりは「祭る」というだけに、獲物や豊作に対する感謝であったり、自然に対するお礼や脅威を鎮める祈りだったのです。
そして神への祈りによって神社が創建され、神社は地域の崇敬を集め、年間を通して様々な祭りを行なうようになっていったわけです。
その祭りによって、地域の発展や人々の繁栄が祈られてきたということなのですね。
お祭りは神と人、そして人と人とを繋ぐ大切なコミュニケーションの場。
農作業など日々の大変な労働から解放されることで、リフレッシュして新たに頑張ろう!と思うためにも重要な要素だったわけです。

■ 神輿や山車は、やっぱり見ものどすなあ。
神輿は、御神体あるいは御霊代がお乗りになる輿のことをいいます。文献でもっとも古い記述は、奈良時代(749年)。
東大寺の大仏を建立したときに担がれた紫色の神輿が起源だとか。かなり昔からあったことがわかります。
神社で神輿を用いるのは、祭礼にあたっての神幸祭のとき。
神幸とは、神を迎えて御供をする行列のことで、御神体が本社から、御旅所(分霊が町に降りて来られるのをお迎えする施設)にお出かけになることをいいます。
この時、氏子たちが神輿をかついで各地区を練り歩くのは、神様に各地区をご覧いただくという意味なのだとか。

また、神幸の途中に神輿を上下左右にわざと荒々しく振り動かしたりするのは、神様に元気を出してもらおうとする「魂振り」というものです。これにより神さまの霊威を高めて豊作や豊漁、疫病の退散ができると信仰されているからだそうです。
乗っている神様は、たまったものじゃないでしょうが...。

そして、神輿とならんで見ものなのが「山車」。
これは神社の祭りや神を祭る儀式の時に、飾り物を付けた車のこと。人が引いて歩きます。
車上には、鉾や人形の他に、松や杉などの木が飾られています。これらは神さまの依代(代用)。要は、山車も神輿も、神霊の乗り物であるということなのです。

■ 神社の祭りに使われる『榊』にも意味がおます。
『榊』は、温暖な地方の山林に自生するツバキ科の常緑樹。神社でのお祭りはもちろんのこと、神棚にも欠かせないですよね。 字を見ると、「神」と「木」を合わせた字となっており、よって神様に関わりのある木というわけです。
そのことから、榊は神の代わりとして祀ったり、神の宿る場所として使われたりしています。

語源についてはいろいろあるそうで、神の聖域と人間世界との「堺」を示すための木、「堺木」が転じたという説。
または、栄える木の「栄木」が転じたとする説があります。このように一年中青々とした緑を保つ常緑樹の枝が使用されるのは、尽きることのない神の恩恵の証とされるからなのだそうです。

また、地鎮祭など外で行われるお祭りの時には、四隅に青竹を立てます。
これは、竹が日本に広く自生するイネ科の常緑植物で、昔から竹の青々とした色とまっすぐに天に伸びる姿が好まれていました。
竹も榊と並んで清浄な植物のひとつとされていたからだそうです。
神にお越しいただくためには、清浄であることが第一条件。
祓い清められた清浄な聖域でなくては来ていただけません。
そのために、忌竹を立て、しめ縄を張り巡らし、聖域であることを示すのです。
ちなみに竹は外見だけでなく、現在でも竹炭という商品があり、空気や水を清浄するものとしても使われています。


美しい古都に思いを馳せつつ、おいしいお茶を飲みながら
    はんなりとした時間を過ごしてみませんか。

宇治茶 伊藤 久右衛門

Postscript
毎年5月3日に、「葵祭」の前儀として行われる行事のひとつに『流鏑馬(やぶさめ)』があります。
これは、葵祭当日に行列の道中が、平穏無事に行われるように、その道中を祓い清めるために行われる神事です。 下鴨神社の糺(ただす)の森で行なわれ、全長約350メートルの馬場に、100メートルおきに50センチ四方の的が3つ設けられており、狩衣を身に付けた騎手が馬を走らせながら弓矢で的を射抜くというもの。
迫力ある凄い技が見られます。
次回はその「葵祭」についてお話させていただきます。





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最終更新日  2009.04.26 08:21:58
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