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カテゴリ:「京」ものがたり
「ちょっと言いたくなる京都通」として奥深い京都の良さや
京都の人も知らない情報などをおりまぜながら、 わかりやすく紐解いていきたいと思います。 ぜひ身近に京都を感じてください。 京都は、伝統と革新的なものが織りなす不思議で魅力的なまち。 平安京以来、「都」という特異な土壌を1200年も守り続けてきた京都人の生き方を紐解いてみたいと思います。 今回のテーマは ・ウチらの気持ちを察してほしいんどすわあ。 ・京都人は、なれなれしいのはイヤどすねん。 ・京独特の、ひと付き合いがおます。 ■ ウチらの気持ちを察してほしいんどすわあ。 例えば、舞妓はんをデートに誘ったとします。 そのとき「へえ、おおきに」とか「そうどすなあ、考えさしておくれやす」といわれたら、答えは残念ながらNOです・・。 「おおきに」といわれたとか、考えてくれるんだから脈ありだ!なんて喜んでいてはだめなのです。 ではもしOKならどうか。 「よろしいなあ、ほないつにしまひょ」と明確な日時を聞くのだそうです。 京都人同士なら、すぐに理解できるでしょうが、わからない人はずっと返事を待っているなんてことに...。 京都の人は、相手の気持ちを察し合うことを大切にしているわけです。 歴史を振り返ってみると、例えば、御上が「よきにはからえ」と指示したとします。 その時に指示されたものは、間違っても「よきにとは、どうすればいいですか?」などと聞き返しはしません。 御上の考えていることを早急に、しかも間違いなく察知しなければならないのです。 こんな風に、日本人は昔から相手の気持ちや考えを察することを日常的に行なってきた人種。 だから婉曲的な表現については京言葉だけでなく、現代社会にもあることです。 考えてみると、大人になればあまりストレートなものの言い方をしなくなると思いませんか? ■ 京都人は、なれなれしいのはイヤどすねん。 武力もなく政治力もない京の人々が、1000年以上もの長い間を潰れることなく生きぬいてきた理由とは? 相手を怒らせないよう話を丸くまとめる技術をもち、さらに自分のいいたいことはしっかりと通すといった、技術を身につけていたからだといいます。 京都という小さな土地に、多くの人間が穏やかに暮らすためには、どうすれば良いかを知っていたからでしょう。 そんな人付き合いで聞いたことあるのが、「京都十代、東京三代、大阪一代」。これは、その土地の人間として認められるために住み続ける年数を表しています。 京都では十代住み続けないと、京都人として認められないということ。そういったところからも、京都人は初対面の人とは距離を置いた付き合い方をし、なかなか打ち解けません。 大阪では初対面であっても、ずいぶんと前から付き合いがあるかのように何でも話せますが、京都では難しいのです。 じっくりと付き合う前から、なれなれしくされることを嫌うのです。もちろんするのもイヤ。 それは「都」として君臨していた京都が作り上げたルールやしきたりを重んじ、守り続けてきたからかもしれません。 ■ 京独特の、ひと付き合いがおます。 京都では、いろいろなマナーがあります。現在では消えつつあるものもありますが、例えば 1、お客さんには仕出し屋の料理でおもてなしをする。 2、よそのお宅を訪問する時は約束の時間から2~3分遅れて行く。 3、贈り物をもらってもその場で開けてはならない。 どのマナーにも共通していえることは、「相手を思いやる気持ち」。 1については、作った料理が相手の口にあわなかったら、出したほうも出されたほうもお互いに気を使うことになりますよね。 2は、京都では人を出迎える時にとても気を遣い、時間ぎりぎりまで準備をしています。 だから訪問する時は予定の時間より少し後に訪れて、おもてなしを台無しにさせないようにします。 3は、開けてしまって嬉しくないものだった場合、思わず顔に出てたりすると失礼だからということ。 どのマナーにも「相手に不快な思いをさせない」という京都人ならではの思いが息づいています。 美しい古都に思いを馳せつつ、おいしいお茶を飲みながら はんなりとした時間を過ごしてみませんか。 宇治茶 伊藤 久右衛門 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.12.03 08:43:32
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