感染症の基本法則
写真上:橿原神宮の令和4年の絵馬感染症の基本法則 再び新型コロナは異種「オミクロン株」として日本でも拡大を始めている。1月6日では4,000人強と毎日倍々ゲームとなっている。1月8日(土)夜では8,000人強と倍になっている。沖縄、広島、山口では米軍基地のクラスターが日本人にも感染し、「まん延防止等重点措置」の要請が政府に提出されている。医師で作家である「木村盛世氏」の書いた本より抜粋し、感染症の基本知識を少し紹介します。感染症の基本法則1 短い期間に複数の人々にうつす(倍々ゲーム)感染症の基本法則2 いったん感染して治ると、少なくとも当面の間は、再び感染することがなく、他人を感染させることもない。これは過去の歴史にもある。春日局はなぜ家光の乳母になったのか?春日局は竹千代(のちの徳川家光)の乳母でした。彼女がなぜ乳母として採用されたのかというと、顔にあばたがあったからといわれている。あばたとは天然痘にかかって発疹ができ、それが治った証である。天然痘に一度かかかると生涯天然痘にはかからない。当時流行していた極めて致死性の高い感染症から、お世継ぎを守るということは、国家の存亡にかかる一大事であった。それゆえ、竹千代にその病気をうつすことのない乳母として抜擢されたのである。 ―ここからは私見―新型コロナの症状は次の経過をたどる1. 感染(PCR検査等の検査陽性)2. 発症(発熱や咳、息切れ等、感染が疑われる症状が一つ以上ある)3. 重症化NHKTVで紹介されている感染者数とは、どうも1.のPCR検査陽性者の数ではないだろうか?ここに問題が潜んでいる。 ワクチンによる免疫には抗体(液性免疫)と細胞性免疫がある。新型コロナには抗体は勿論、完全なエビデンスはないが細胞性免疫の関与が大きいとの知見がある。これが日本人に発症者と死亡者が少ないファクターXの存在である。ワクチンの効果は免疫が活性化されていれば、感染することはある(ブレークスルー感染と呼ばれ確率は7%程度)が発症や重症化は免れる(ワクチン効果率95%)。ブレークスルー感染するので他人にうつすことがある。ワクチン有効率95%は期待が持てる。2回接種から半年以上経過して免疫力が落ちたならば、3回目の追加接種が望まれる。そうすればこの95%の確率で発症しないことになる。今は、PCR陽性者数の倍々ゲームに右往左往するのではなく、ワクチンの追加接種の対策を真剣に議論すべき重要な時期である。こうして発症や重傷化が、ワクチンや飲み薬によって徐々に減少していけば医療体制も対応が可能である。このようにして、日本では新型コロナに対する集団免疫が獲得されコロナ禍も収束に向かうことが期待される。とにかく今回の新型コロナは世界にとって初めての経験であり科学的根拠(エビデンス)が少ないので、試行錯誤の繰り返しである。しかし、もはや過度に恐れないで感染対策をしっかりしながら日常を取り戻すことが肝要である。 またタイミングを見て新型コロナの感染症法の分類を、現在の2類(結核、SARS・・)から5類(インフルエンザ、梅毒・・)に変更が必要である。「隔離」という言葉も忌み嫌われている。