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日英行政官日記 (旧 英国日記帳)

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Jan 14, 2016
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ニュースサイト「ムーラン」に連載中のコラムの新しい記事を掲載いたしました。
(バックナンバーはhttp://www.geocities.jp/weathercock8926/fromparis.htmlをご覧下さい。)

「パリの空の下から ~国際行政官の視点~」
第5回:パリで迎える年末年始

新年を迎え、パリの職場にも活気が戻ってきた。筆者の所属するOECD環境局において、昨年の業務のピークは何といってもCOP21(気候変動枠組条約締約国会議)及びそれに関連する一連のイベントであった。年内の主要業務が終わると、多くの人がクリスマス休暇に入っていく。OECDでは、12月24日から翌年の1月1日まで、休業期間となっている。今年は1月1日が金曜日であるため、自然体で1月3日まで休みとなるが、ほとんどの職員が、この前後に有給休暇を足して、2~3週間の休暇としている。

フランスでは、意外に祝日が少ない。日本では現在、国民の祝日が年間で15日あるが、フランスでは11日であり、かつ、振替休日という制度が無いため、2016年には実質8日しかない。他方、有給休暇は権利としてほぼ完全に消化することが当然と考えられており、OECDでも、年末年始や夏に長期の休暇を取る人が多い。日本の官庁でも最近、有給休暇の積極的な取得を奨励しているが、トータルとしてはやはり、フランスの方が休みは多いだろう。

ヨーロッパのクリスマスは、一年における最大の行事だ。その位置付けは、日本における大晦日・正月に近い。12月24日のクリスマス・イブは、自宅で家族揃ってご馳走を食べ、そのままクリスマスを過ごすのが一般的である。そのため、クリスマス直前には、この時とばかりに高級食材を買い求める人々がデパートや市場に溢れている。日本でも、年末のアメ横は、海産物等を買い込む人々で、歩くのが困難なぐらい混み合うが、それと似たようなものかもしれない。

クリスマスは、イエス・キリストが生まれたとされる日であり、当然、キリスト教と密接に関連している。各地の教会でもミサが行われる。日本では、宗教的な行事が行われるのはむしろ大晦日から元旦にかけてであり、除夜の鐘が打ち鳴らされ、多くの人が初詣に出かける。フランスの場合、年明けに宗教的な意味合いはあまりないが、この瞬間を一大イベントとして祝うのは日本と同様だ。例年、パリのシャンゼリゼ通りではカウントダウンのイベントが行われる。今回は、テロへの警戒から花火が中止となったが、イベント自体は予定通り行われ、年が明ける直前から新年にかけては、凱旋門にプロジェクション・マッピングが投影された。シャンゼリゼ通りは観光客や住民で埋め尽くされており、観光都市パリの賑わいは失われてはいないようだ。

年末には、日本と同様に、一年を振り返るニュース番組が流れるが、2015年はやはり、テロの脅威にさらされた年として特徴づけられている。2015年が始まって早々の1月7日、シャルリー・エブド誌の襲撃事件が起きた。そして年の瀬も近い11月13日に、130名の死者を出す同時テロ事件が発生する。後者の衝撃があまりに大きかったために忘れかけていたが、シャルリー・エブド事件も同じ年に起きていたことを改めて思い出させられる。年明けには、シャルリー・エブド事件から一周年の追悼式典が数ヵ所で行われたが、これらには、11月13日の犠牲者追悼の意も込められている。こうした式典のたびに感じるのは、困難に際してのフランス人の団結心、愛国心の強さである。この2カ月間で、何度ラ・マルセイエーズの曲を聞いたかわからないし、フランス国旗である三色旗、あるいはその色に彩られた建物を至るところで見た。他方で、イスラム教のモスクが狼藉される事件が起きたり、移民に敵対的な姿勢を取る極右政党が地方選挙で力を伸ばすといった動きもみられる。2015年は、フランスのみならず、ヨーロッパ全体が、民族・宗教の多様性とどう向き合うかという課題を突き付けられた年であったともいえよう。2016年は、こうした課題がさらに顕在化する可能性が高く、広く民主主義社会のあり方の観点から、ヨーロッパに注目すべき一年となるのではないだろうか。

※本稿は個人としての見解であり、筆者の属する組織の見解を代弁するものではありません。






Last updated  Jan 15, 2016 06:47:23 AM
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