加賀獅子舞 ~ 其の二
夏の例大祭に向けた練習は順調に進んでいます。 加賀獅子では、獅子頭を持った方を『頭(かしら)』と呼びます。武器を持って獅子を退治する方を『棒振り(ぼうふり)』と呼びます。 加賀獅子の獅子頭は大きなカヤ(約縦10m、約横5m、約高さ3m)に繋がっているため、頭の動く範囲は制限されています。(棒振りは縦横無尽に動き舞われます。)獅子頭を持って動ける範囲は直径がだいたい2メートルの半円です。右脇を締めて獅子頭を顔付近まで持ち上げた状態で左右に動きます。 基本的に前後の動きはほとんどありません。左手は獅子の顎に添えて、顎の角度を格好良く調節します。 所によって違いがありますが、顎はパクパク動かし過ぎないよう気を付け、棒振りの攻撃を牙で防ぎつつ、目で威嚇するように頭を動かし(振り)ます。左右に動く際の脚の動き(運び方)で前後の動きを表現します。脚は足の裏を空に向けた状態にしながら反対側の足の膝まで上げ、降ろした後、今度はもう一方の脚を同じように動かして腰を割ります。顎の開き具合と足運びに技量の差が表れます。 頭の位置と棒振りの位置の関係には『変えてはならない決まり』があります。棒振りの位置、刃先の高さや向きに応じて獅子頭の位置を変化させます。武器の刃が獅子頭に向けられている場合、頭は動いていけません。逆に刃先が獅子頭からそれた時、頭は棒振りを威嚇するように移動します。棒振りが獅子頭から離れている時、頭は低く構えます。反対に棒振りが獅子頭の間近まで迫って来た時は高く構えます。同じように、棒振りが左に行けば頭は右に、棒振りが右に動けば頭は左へと、対称的に移動し合います。各々が動き出すタイミングは練習で培う阿吽の呼吸です。 棒振りの持つ武器はいろいろあって、わが町が現在使用しているのは、刀、なぎなた、棒、くさりがま、の4種類です。刀には、太刀、長刀、二刀流があります。(最近、漫画の影響で三刀流のまね事してる若い衆もいますが、本番では却下です。)各武器を使用してソロで舞う他、武器の組み合わせによって、二人棒、三人棒、四人棒の演目があります。わが町の流派は、伝来の半兵衛流に土方流の要素を多く取り入れたものです。以下、現在使用している武器の一部を写真で紹介します。【刀(上:長刀)】 【棒 & なぎなた】 【くさりがま】~(武器保護のため、鎖の代わりに紐を使用しています。) 最後に、獅子頭の飾り方を紹介します。【刃先内側:祭り・祝い事の際】 【刃先外側:戦の時の必勝祈願】 以上、暇なんで日記に残してみました。