カテゴリ:書籍・新聞
あけましておめでとうございます。 意訳という形ではありますが、元旦の社説をまとめましたので、ご覧になって下さい。 日本経済新聞 物価高に対する人々の不満は根強いが、補助金で物価を抑えつける一時しのぎは卒業しなければならない。物価や金利が上がる環境は経済の生産性を高め、賃上げにもつながる改革の呼び水となる。デジタルの力も借り、より公平な負担と給付が成り立つ経済の仕組みを築くことが重要だ。 与野党がともに重大な責任を担う時代となり、ひずみの目立つ税制や社会保障を超党派で腰を据えて議論し、改革することが急務となった。少子高齢化や地方の疲労など日本の課題は尽きないが、変化にしなやかに応じる潜在力もなお高いはずだ。AIや半導体など将来に通じる技術を生かし、競争力を磨いて欲しい。 朝日新聞 凝視したいものが二つある。 まずはトランプ氏を選んだ米国の民意に正面から向き合いたい。選挙が不満や怒りといった感情表現の場と化した今だからこそ、不信・不満の根源を見極める必要がある。それは決して日本人にも他人事とは言えないだろう。 もう一つ凝視すべきは日本の政治である。一見して不安定にみえる少数野党が日本を変える好機ともなりうる。与野党間の政策形成の過程がより可視化されるように潮目を変えたい。そして有権者の側が変調や逸脱から目をそらさず、しっかりと声を上げることで強靭な日本の社会を築く、そんな年にしたい。 毎日新聞 日本がいま求められているのは自国第一が幅を利かせる世界を人道第一へと軌道修正する外交努力である。そのために日本は国家よりも人間に焦点を当て、恐怖・欠乏などの脅威からの保護と、尊厳を持って生きられる自由を追求する考え方を行動指針にすべきである。 他者への共感で暴力と憎悪の連鎖を断ち切り、戦争の反対語である「対話」を通じて争いを解決する。そんな人間らしい社会を再構築できるか。人類に突き付けられた重い問いである。 読売新聞 生活上の不満から自国第一主義の風潮が高まることは自然なことでもある。問題は自国第一主義と自国唯一主義を混同していることにある。自国の利益は他国の貿易や生産分野の協力があって初めて成り立ち、自国だけで完結できる生活や経済はない。日本国憲法前文で「いづれの国家も、自国のことのみに専念してはならない」と謳い、この理念を実際に体現している日本こそが国際協調を訴える行動の先頭に立つにふさわしい。世界がむき出しの力対決となろうしている時だからこそ、理念の力を蘇らせなければならないが、その大きな使命を果たすだけの力量が日本にあるか。その自己点検から新しい年の一歩を踏み出さなければならない。 産経新聞 抑止力の構築を急がないと、日本は数年内に、戦後初めて戦争を仕掛けられる恐れがある。平和を守っていく年にしたい。 日本の政治は、そして日本国民は、ウクライナなどの情勢の展開に備えようとしているのか。分断と対立が深まる国際情勢を我が事として捉えているか。石破首相はトランプ氏との会談で日本と国際秩序を能動的に守る姿勢を示して欲しい。 東京新聞 終戦から80年続いている戦後を続けていくのに必要なのは民主主義の政治体制だと思います。ただ気がかりなのは、民主主義の意思決定は複雑で時間がかかるが、人間は生来せっかちにできているという点です。せっかちに結果を求め、性急に判断する傾向を強めていったら社会はどんどん権威主義に近寄ってしまうでしょう。我々に求められるのはタイムパフォーマンスの悪さを辛抱し、まどろっことしさを受け入れる雅量なのだと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 2, 2025 02:35:19 PM
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