【岩手競馬サポーターズネット】南部杯リレーコラム
南部杯の思い出はメイセイオペラと菅原勲騎手。それが騎手になろうと思った一番のきっかけです。 岩手競馬騎手・高松亮 南部杯といえば、まっ先にメイセイオペラを思い出します。当時、小学校6年生で父の仕事の関係で宮古に住んでいましたが、友達のお父さんに連れられて生で観戦しました。 オペラがゴールに入った瞬間、最高に興奮しました。“イサオコール”をしたか覚えていませんが、勝った時のことは今でも鮮明に記憶しています。 初めて競馬場へ行ったのは小学校4年生。オーロパークでした。同じ宿舎に住んでいた友達が競馬好きの家族だったんです。父とも何度か競馬場へ行きましたが、競馬に抵抗感はまったくなかった。逆にすっかりはまってしまって、騎手になろうと思ったのは自然の流れでした。 でも一番のきっかけといえばメイセイオペラと(菅原)勲さん。とても格好良くて、憧れの存在でした。部屋にメイセイオペラと勲さんの写真がたくさんありました。ほとんどピンボケでしたけどね。 それで中学校3年のとき騎手を目指したい、と両親に伝えたところ『チャンスは1回だけだぞ』と言われて騎手学校を受験。今、考えると高校へも行かないわけですから両親、周囲の人もみんなとまどったと思いますが、自分が選んだ道を理解してくれて感謝しています。両親はちょくちょく競馬場に足を運んでくれますし、いろんな人を誘って来ているみたいです。 南部杯に始めて騎乗したのが騎手3年目。一昨年のミサキノハンターでした。あんな一杯のファンの前で乗ったことがなかったので、鳥肌が立ちました。スタンドから応援していた自分が、南部杯に騎乗するわけですから夢のようなことでした。 馬もジョッキーも超一流。ちょうど武豊騎手がシーキングザダイヤで7番、自分は8番で隣同士でしたのでちょっとだけ話をしました。ミサキノハンターが中央時代に乗ったことがあったそうで、その話題になりました。企業秘密ですから内容は言えないですけどね。 パドックですごい視線を感じた。自分の前を行く武豊騎手を追っかけているのは分かっているんですが、それでも緊張しましたね。 昨年も笠松のオグリスキーで騎乗できました。佐藤友則騎手の紹介でしたが、2年連続で出場できたなんて本当にラッキーですよね。今年も是非、騎乗できればなと思っています。 トライアルの青藍賞は生きてきた中で一番悔しいレースでした。中学校時代、バトミントンシングルでベスト8まで進出でしましたが、第一シードの選手にコテンパンにされた。その時も悔しかったが、今回はそれ以上。 直線でトーホウライデンを追いかけて交わせる勢いもあったんですが、あと少しの2着。先生(佐藤雅彦調教師)からソーユアフロストみたいな強い馬に乗れるチャンスをもらい、あのレースに賭けていたのに負けてしまった。 後輩の(高橋)悠里に負けたことも悔しかったけど、それ以上に結果を出せなかった自分が情けなかった。もちろん悠里には心からおめでとうと言いましたが、重賞には人一倍の思い入れがあります。 もし今回、南部杯に騎乗するチャンスがいただけたら、せめて掲示板には載りたい。跳びの大きい馬ですし、左回りの方が反応のいい馬ですので盛岡コースが合っていると思います。 南部杯は装鞍所から空気が違います。ピーンと張っている感じがします。ファン時代からもそうでしたが、ワクワク感がありますよね。いい意味で楽しみたいと思っていますし、もし騎乗したときには応援をよろしくお願いします。