高尾天狗の山歩記(やまあるき)

2005/01/29(土)19:03

天狗伝説

高尾山一口メモ(353)

天狗は、ここ高尾山に限らず、古来より多くの天狗伝説や天狗信仰をもたらし、神格化されてきました。 天狗には諸説ありますが、そのひとつに、日本書記のなかのサルタヒコ神という説があります。 サルタヒコ神は、一般に道の神・道祖神と考えられています。 また、後に修験道が盛んになりますと天狗の神様ともみなされるようになりました。 ちなみに「サルタヒコ神」の特徴は、赤ら顔に長い鼻修験山伏の服装をしており、鼻の長さ七握、背の高さ七尺、また口の端が光り、目は鏡のように照っていることは赤いホオズキに似ている。 とありますので、皆さんがイメージする天狗に本当に近いのではないでしょうか。 天狗は、一説には、仏教上に現れる嘴を持ち、翼によって自由自在に空を飛びまわり、衆生の救済を行う「カルラ天」が日本の風土に合った形に変形され天狗として語り継がれたという説もあります。 さてこの天狗、赤い顔に長い鼻を持ち、背中には烏の羽が付いているものの、体型は人と変わらず、山伏の格好をしている場合が多いようです。 怪力で空を飛んだり、雷を落としたり、人を金縛りにさせるなどの数々の神通力を持つだけでなく、天狗のつぶてを巻き起こす団扇や、姿を隠す蓑など霊力の篭った道具も持っています。昔話では、高僧にやられてしまう悪役として登場することが多いようです。 また、これらの悪のイメージとはまったく逆に、古くから祀られた森や山の精霊としての天狗があります。 この場合の天狗は人々に対して悪さを働くことはなくて、人気のない山中を行く旅人たちを守る存在とされています。 いずれもそれは山を畏敬の念で見た人々のもたらした幻影であるとするのは簡単なことですが もともと山は、神社という形ができるまでは、古代の人々にとって神、ご神体そのものだったのです。

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