高尾天狗の山歩記(やまあるき)

2009/08/28(金)10:01

高尾山へのペット同伴

高尾山一口メモ(353)

最近はペットを連れて登山するハイカーも、良く見かけるようになりました。ペット、おそらく高尾に連れてくるとなるとやはり犬でしょうが、この犬の同伴が自然環境の保護保全に悪影響を与えていると主張する自然保護論者もいますが、どうやら現在のところ科学的に実証されていないようです。 反面、一部の国定公園等では、禁止条例が作られ、犬の同伴を拒絶しているところもあるのが実態です。ちなみに、東京都によれば、高尾山を含め自然公園へのペットの持ち込みについて、法的には動物等の持ち込みは禁止されておりませんが、自然生態系に及ぼす影響を考慮し、ペットの入山はできる限り遠慮してほしいとの見解です。 調べてみると、ペット入山を前面に挙げている公園は、過去に野生動物を追いかけ、野うさぎやライチョウに被害があったという事実があり、これに反応しているように思えます。 実際のところ、ここ高尾山でも実は以前にペットの入山について議論が起きたことがあります。ことの発端は、都が2003年4月に立てたペット入山を規制する看板でした。この看板は都が犬の放し飼いなどの苦情を受け、登山道4か所に立てられたもので、ここには、森の木が「NO」と叫ぶイラストとともに「鳥獣保護法でペットの持ち込みは禁止」「ペットを持ち込むことで生き物同士のつながりが崩れたり、ペットの病気が森の生き物にうつることがある」と書かれていたのでした。 この表現に対して、ペット愛好家らから「鳥獣保護法にはペットの規制が触れられていないだけでなく、高尾山でペットを規制する法的拘束力もない」と事実に反した記述や、何の調査もなく「生態系に影響がある」と断言したその内容に対して多くの批判が寄せられたのでした。 都はこの批判を受け、とりあえず鳥獣保護法に関する記述は看板から削除したうえで、生態系への影響についても専門家に問い合わせて検証した結果「はっきりした因果関係まで問えない」との結論に達したのでした。都があらためて現地調査した結果、飼い主の目立ったマナー違反も見られなかったといいます。その結果、この看板は撤去され今は高尾山でみることはできません。 このような経緯もあり、高尾山でリード(誘導するひも)を付けていれば、ペットの持ち込みは問題ないと思いますが、やはり、飼い主としての最低限のルールは守りましょう。 例えば、日本アウトドア犬協会では、次のような指導をしています。(以下同協会HPより抜粋) 糞は持ち帰る。自然体系を考えると土に埋めるのもいけない。「犬禁止」を招く一番大きな原因は「糞の放置」 野生動物を追わせない  予防接種していない犬、病気の犬は入山させない  犬のポジションを考える見通しの悪い登山道で、角を曲がったとたん犬に出会う。いきなり現れた犬に驚いて、足を踏み外し、 滑落・・なんていう事故につながらないとも限らない。そこでそういったルートでは、犬を先頭にさせず、かならず人間のあとを歩かせる心配りが必要。 ムダ吠えをさせないハードな山歩きの休憩中。だれもがリラックスしたいのに、えんえんと止まない、ヒステリックな犬の声!聞かされる方はたまらない!犬の吠え声は他人には迷惑であり、恐怖心を与える場合があることを忘れない。犬が走り寄る、時にはほんの数歩近寄ることでさえ、他人には恐怖心を与える場合があることを忘れない。 人の多いコース、時期を避ける。 「できれば平日等、人の少ない日時を選ぶ」 「季節を考える」→ツツジで有名な山にツツジの季節に行かない、紅葉が有名な山に紅葉の季節に行かない、    など、人出の多いことが予想できる時期は避ける。

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