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カテゴリ:漫画
ちょっと前に1巻が無料で読めたこともあって,『魔法少女特殊戦あすか』を読んだ。
初見はそれほどでもなかったはずなのだが,アニメ化もするというし,なんかじわじわと時間差で来るものがあったので,9巻まで読んだ感想をつらつらと書いていく。 魔法少女特殊戦あすか 1巻【電子書籍】[ 深見真 ] 僕が子どもの頃,魔法少女と言えばもっと牧歌的なものだったけど,最近は魔法少女と言えばバイオレンスな世界になったと思う。この『魔法少女特殊戦あすか』もそんな感じだ。 冷静に考えて,軍事少女でいいじゃないかと思うけど,少女が戦うとなると魔法少女の方が語呂がいいし,「なぜ男が戦わない」という疑問に対し,それなりに反論できるからね。 あらすじなんだけど,作中の世界では3年前に異世界からの侵略を受けていて,そのときは主人公のあすかを始め,魔法少女たちが戦って世界を救ったのだ。このとき,魔法少女たちは戦いの中で倒れていき,5人だけが生き残った。主人公は,この5人の生き残った魔法少女のリーダー格で,メンタルは弱いけど,敵の首領にトドメをさしていたり,かなりの活躍をしている。 ここまでが前提である。主人公たちの世界は異世界の脅威はなくなったものの,テロ組織なんかは普通にある。もう戦いたくはないと,学生生活をしていた主人公であるが,またも戦いに巻き込まれていく,という感じだ。 ドラゴンボールで言えば,あすかはセルを倒して平和になった後の孫悟飯みたいな感じかな。 ただ,ドラゴンボール以上に世界は殺伐としていて,主人公のあすかはメンタルが弱いどころではなくて,3年前の大戦で両親が殺されたり,仲間が死んで行ったりでPTSDの疑いすらかかっている。 あと,生き残った5人の魔法少女たちであるが,だれもかれも軍事的に価値があるということで,高校生活を送っていた主人公あすか以外は,軍に属していたり,傭兵をやっているのである。 全然,日常に帰れていないのである。 そして,魔法少女たちも仲良しかというというとそうでもなく,アメリカの魔法少女,ミア(3巻表紙)なんかは独白シーンで「私が信頼できるの魔法少女はくるみだけ(2巻表紙)。他の魔法少女はどうも信用ならないところがある。」みたいなことを考えていたりする。 魔法少女特殊戦あすか 3巻【電子書籍】[ 深見真 ] じゃぁ,ミアから唯一信頼されているくるみはいい子なのかと言えば別にそういうこともない。 2巻表紙のとおり,くるみは,「ウォーナース☆くるみ」に変身するのだ。「War Nurse」で戦闘看護師というべきか,戦闘向きの魔法は使えず,薬を使ったり回復魔法や補助魔法が得意な子ではあるが,もとが虐められっ子で,魔法少女になったことでいじめっ子を殺害しようとまで考えていた心に闇を持つ子である。 だが,主人公あすかに救われたから,あすかには百合じみた友情をもっているものの,敵対する者には容赦なく危険な自白剤みたいなものを使ったり,拷問なんかも平気でやってる。なお,あすかに嫌われぬよう,くるみは敵への拷問なんかは隠れてやってる。 魔法少女特殊戦あすか 2巻【電子書籍】[ 深見真 ] 何とも殺伐とした世界観である。魔法少女というのは,普通の兵隊よりもよっぽど強いので,敵対する相手もまた魔法少女になったりするし,特に3年前の大戦を生き延びた5人は,時に敵対したりもする。そうしないと,話が成立しないほど,5人の生き残り魔法少女が強いのではあるけども。 殺伐具合を説明していくとキリがないのであるが,軍事的な描写も結構すごいのではないかと思う。 表紙見てても魔法少女たちは銃火器を装備しているが,魔法少女たちは魔力の節約のため,銃火器の扱いが必須になっているという世界である。僕はよくわからないが,軍事的な考証もしっかりしていそう。 普通の魔法少女では満足できなくなった大人向けの作品だと思うよ。あと,漫画喫茶などで一気読みするには全く向かない。台詞やら設定が細かいので,ゆっくり読み進めていくのがいいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.02.03 23:04:26
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