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カテゴリ:漫画
プーチン大統領のそっくりさん,プルチノフが異世界転生してモンスターに騎乗しまくる『ライドンキング』の2巻,買って読んだ。(「1巻感想」「3巻感想」)。
ライドンキング2巻【電子書籍】[ 馬場康誌 ] 2巻での大きな出来事としては,プルチノフが廃墟と化した村の村長への就任とダンジョン探検だろう。 順に見ていく。 ケンタウロスの村に向かう途中,プルチノフはある村に立ち寄るのだ。 年寄りと子どもしかいない村なので,やむなくプルチノフはやむなく子どもたちを1週間ほど鍛えたり,防塁工事をしたりする。 その結果,プルチノフはまわりから村長と呼ばれるようになる。 (2巻44頁より。プルチノフの信念) プルチノフはのちにこの決断を後悔してはいるが,少年兵を抱くプルチノフの眼が優しくてあこがれる。 (184頁。その目は優しかった。) よく見ると,プルチノフは巨大熊は自分で叩きのめしているが,猪くらいならあえて自分で狩らず,指示だけやって狩りは子どもたちにやらせていたりする。こういうところ,仕事をするうえで大事だよ。異世界で人望を得て村長と呼ばれるようになったプルチノフだが,きっと現実世界でもこうやって大統領になったのだろう。 1巻感想で,「元ネタのゴロセウムでは悪の独裁者の魅力があった。でも,今回は主人公という制約があって悪行はできず,魅力が減るかも」と書いちゃったけど,あれは間違いだった。プルチノフの指導者の魅力,リーダーとしての魅力が描かれていて大満足。 そしてお楽しみのダンジョンだ。 大暴れするプルチノフを見てて気持ちいのは間違いない。だが,感想も長くなりすぎるので,僕の心が一番震えた場面にしぼる。 巨大なゾンビドラゴンを倒し,ダンジョン攻略を果たしたプルチノフの前に,ライオンキングみたいな獅子面の獣王が登場するのだ。そんな獣王はプルチノフに「加護」をくれるというのだ。無双の膂力でも,魔法力でも不老の体でも,なんでもくれるという。 僕だったら,思わず飛びつくだろう。これに対しプルチノフはこう答える。 (157頁。加護を拒否するプルチノフ。) さらにプルチノフは,こうも答える。 「不老の体もいらない。この身だけ永らえようと思わない。 金貨のわく壺もいらいない。金貨の価値がゴミになるのを何度も見てきた」 そのうえでプルチノフは,「亡き妻の記憶がおぼろげにならないようにしてくれ」と願う。 (159頁。妻の記憶を保持するのを願うプルチノフ。) なんともクールではないか。 効果のほどは,プルチノフが目を閉じれば写真みたいにくっきりと妻の顔を思い浮かべられるようになった,という感じらしい。 なんともささやかな話だが,これの方がプルチノフにとって価値があるのだ。 うまく説明できないけど,妻を生き返られてくれ,と願わないあたり,プルチノフの良さがあるのかもしれない。なんだかんだ,設定解説を見るとプルチノフは工作員をやってて,過去には暗殺もしてきたようなことが書かれている。大統領をやってて,たくさんの命を奪って来ているプルチノフの思想的なものがあるのかもしれない。 異世界転生といえばチートじみた能力である。ただ,それは自分で努力して身に着けたものであることは少なくて,神だとか何かから与えられたものであることが多いように思う。 そんな中,こういう「与えられる力」を拒否したところ,これまで主人公たちが努力して強くなる格闘漫画を描いてきた馬場先生の思想を感じる。 あと,2巻末の流れから,3巻でプルチノフにくっついているかわいい女の子の過去が語られるっぽい。 さんざん興味ないようなことを書いてきたが,普通にかわいい子だ。出演する漫画が『ライドンキング』でさえなければ,エース級の活躍ができたろうに。 ・「1巻感想」 ・「3巻感想」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.10.15 17:21:00
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