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カテゴリ:ラノベ
7~9巻の3巻にかけて行われた中国編もいよいよ大詰め。
ここから物語の風呂敷がどんどん広げられていき,「これ,ちゃんと話を終わらせられるんですかね・・・?」という内容になっていく。 あらすじだけど,これはちょっと説明がしがたい。現代の竜堂兄弟の話と,過去の竜王たちの話が重層的に語られていくからだ。 まず,現代の竜堂兄弟たちであるが仙界から香港に帰ってきた。ここから四人姉妹と戦うため,黄老たち華僑と無駄な会議をしたり,なんか色々ある。見所は,竜堂兄弟たちが竜に変身し,月に向かって飛び,牛種の巨大ボス,ユウユウ(悠の下の心を抜いて,上に山をつけた漢字を2回)という,漢字変換ができないのとバトルをする。 いつも地球で戦うと無辜の民がバンバン死ぬところ,戦場が月であるから周辺被害の心配をしなくていいのは気楽だね。 一方で,過去の竜王たちの話。僕的には,本編の現代編よりこちらの方が面白い。 姿を消した玉帝の顔を見ようと侵入した青竜王が,赤城王こと次郎真君と1対1のバトルを繰り広げる。 開戦前の,赤城王がこういうのだ。 「紅竜王の妖剣,白龍王の烈剣,どちらも試みたいところだが,やはり青竜王の豪剣と渡り合ってみたい。如何(いかん)?」 このいかにも中二心をくすぐる台詞は,初見のときの僕をひどく興奮させたものである。 また,現代編だと竜堂兄弟は竜に変身して戦うのだけど,ノリは怪獣映画になるところ,過去編だと竜王たちは普通に剣術なんかで戦っていて,カンフーアクションや京劇みたいなノリになる。 もちろん,ライオン対トラみたいな人間以外の戦いも面白いかもしれないが,やはり人間対人間(仙人だとか神かもしれないが)というか,四肢をもった人間どうしのバトルの燃える。 なお,強さ的なことを考えると,赤城王というのは次郎真君の異名である。封神演義なら楊ゼン。 西遊記では孫悟空を倒したことがあり,また封神演義ではナタクと並ぶ周軍のエースである。この孫悟空もナタクも,いずれも竜王と戦って勝っているという強キャラである。 はっきり言ってしまえば,竜王たちは孫悟空やナタクたちにトラウマの1つや2つ持っていてもいいのではないかと思うのだが・・・。 一応,僕は最新の14巻まで読んでいるが,確か孫悟空もナタクも出てきていないはずだ。 以前から指摘をしているが,創竜伝という小説の問題点として,敵が弱すぎるという点がある。いや,竜堂兄弟が強すぎるのか。 たとえば,ここで特撮を見ていくと,1人で戦う仮面ライダーと比べて,5人で戦う戦隊ものだと,戦隊ものは5人でようやく1人の敵と戦うという物語の展開上,戦闘能力は低めに設定されている傾向がある。おそらく,これは物語を作る上での制約だろうと思う。 「仲間が協力して強い敵を倒す」という図式を作るには,どうしても主人公チームを敵より相対的に弱くしなければならないのだ。 ところが,創竜伝という小説ではそれができないようだ。 竜堂兄弟がボロボロになるまでやられ,そこ4人そろってなんとかして勝つ・・・。そんな図式がない。 どこで読んだかうろ覚えだが,竜王というのは水,川の象徴である。孫悟空だとかナタクだとかが竜王を倒すというのは,人類が川を制するという治水工事を表しているとかなんとか。 なので,竜王というのは決して最強格出なくてもいいのではないかと思うのだ。それでも話は作れたのではないかな・・・。 一応,牛種は事実上天界を支配しているようだし,政治力はすごそうなのだけど。 ところで,「ナタク」ではなくて「ナタ」が正しいという指摘はあるだろうが,僕は安能務や藤崎竜で育っているので,どうしてもナタクといってしまう。すまんな。 封神演義 1【電子書籍】[ 藤崎竜 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.11.15 17:21:08
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