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2019.11.24
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カテゴリ:ラノベ
創竜伝12巻は一応本編という扱いになっているようだが,これもまた事実上の外伝みたいなものである。11巻に引き続き,2連続で外伝が出ている計算になるが,この時期の田中芳樹は創竜伝の本編を進められない状況だったのかとかなんとか,いろいろ考えさせられる。





基本的に辛口の僕だけど,創竜伝12巻については非常に好意的である。
12巻は田中芳樹が好き勝手書いたんだろうな,と思うような内容だけれど,それが非常に面白い内容になっている。
おおざっぱなあらすじだけれど,赤城王との対決の結果,天界から人界に落ちていき行方不明になった青竜王こと始兄さんを捜索すべく,白竜王が北宋の時代を冒険するという内容だ。
実際の所,青竜王はけっこう簡単に見つかって普通に合流しちゃうので,白竜王たちは人間を食べる妖怪退治をメインに活動していくことになる。
最終的には,紅竜王と黒竜王も地上に降りてきて,4竜王全員で妖怪退治にあたるという,豪華な内容になっているのだ。

そんな妖怪退治の脇道も捨てがたい。ちょうど趙匡胤の弟,趙匡義が王の時代なのだけど,この趙匡胤から趙匡義への皇帝位の移動の裏に陰謀があったではないか,とか趙匡義の後継者問題に関する陰謀だとかいった歴史要素が語られている。
しかも,こういった歴史要素はあくまで本編の邪魔にならない程度に入っていて,ちょうどいい具合である。ちなみに,田中芳樹の時代小説にありがちなのは,主人公そっちのけで歴史描写が延々と続くというのがあるが,それに陥っていないのも好評価だ。

本当に,創竜伝についてこの12巻は非の打ち所がないほど完成された小説になっている。
敵の妖怪に比べて竜王たちが強すぎるという問題は相変わらずあるものの,それが物語の面白さを減殺するということは全くない。
竜王たち以外の登場人物,たとえば白竜王の家来となった五仙なども生き生きと描かれているし,また実在の人物だった趙匡義たちの描きっぷりも見事。
田中芳樹の中国歴史小説全体の中でも,この創竜伝12巻はかなり上位に来ると思う。

あと,最後に1つだけ。
たぶん,僕の中で創竜伝12巻の評価が非常に高いことの理由として,「現代日本に対する社会批判がほとんどない」というところにもあるんだよね。創竜伝やら薬師寺涼子を読んでいると,延々と社会批判が入るのだけど,この12巻はそれがない。
舞台が現代ではなく宋の時代の中国だというのがあるだろう。
また,登場人物の口を使って社会評論をしようにも,白竜王たちに現代の知識がないため,社会評論をする余地もないというのもあるかもしれない。


小説十八史略(6) (講談社文庫) [ 陳舜臣 ]





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最終更新日  2019.11.24 15:44:41
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