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2020.02.08
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カテゴリ:法律
法律の専門書を読むのも大変なので,たまにはライトに新書でも読んでみようかと手に取ったのが『裁判官失格』である。色々と思うことがあるので,つらつらと感想など書いていきたい。


裁判官失格 法と正義の間(はざま)で揺れ動く葛藤 (SB新書) [ 高橋 隆一 ]

そもそも論だけど,この『裁判官失格』という本のタイトル。これはもしやすると,2012年に出た『検事失格』を意識しているのもしれない。
この『検事失格』の方は不当な取り調べをしてしまった元検事の自伝という形になっており,かなりのベストセラーになったんじゃないかな。僕も読んだし,当時の弁護士会でちょっと話題になったから。


ただ,本書はどうしても『検事失格』より多少はクオリティが下がるんじゃないかな・・・。
ちょっと『検事失格』と比較しながら見ていこうか。


まず,本書の目次を見てるとこうなっている。

  • 第1章 法廷はドラマに溢れている
  • 第2章 裁判官だって,最後まで迷っている
  • 第3章 1人でも受け入れてくれるなら説諭をする,たとえ裏切られても
  • 第4章 裁判官の胸の内
  • 第5章 裁判官こぼれ話


一方で,『検事失格』はこうだ。


検事失格【電子書籍】[ 市川 寛 ]

  • 第1章 検事への志
  • 第2章 「検事」への改造
  • 第3章 挫折
  • 第4章 束の間の復活
  • 第5章 大罪
  • 第6章 「暴言検事」の死
  • 第7章 償い


どうだろうか。
目次を眺めているだけで,1人の若者が検事になるという夢を持ち(第1章),検事になったものの激務のために挫折し(第2~3章),健康を取り戻すも(第4章),取調中に自白を強要する暴言をして問題になり退職する(第5~6章),といった流れがイメージできるだろう。そして,著者は7章で償いも果たし,法曹として立ち直るのだ。そのため,大きな1つのスジに沿って構成が立てられており,章の並びそれ自体に意味がある。
これと比較すると,『裁判官失格』の方は単なる雑談をまとめたものになっており,別段に章の並びに意味はない。1章の次に3章を読んでもいいし,逆から読んでいってもいい。
そもそも,『裁判官失格』の著者は普通に裁判官を勤め上げた後,公証人に再就職し,現在は弁護士もしているそうなので,普通に裁判官をしていたようだ。
最終経歴が家庭裁判所の少年部部長裁判官で,所長までいってはいないようだけど。

さて,内容に入っていこう。ただ,基本的に雑談を集めたもので特に大きなテーマみたいなものはない。民事も刑事も少年事件も,ごった煮のように集められている。
色々あるけれど,たとえば「死刑にすべき事案だったけど,検察官が無期求刑だから無期懲役にした」(16頁以下)だとか,「自分が詐欺で実刑判決を下したXという男の一言がきっかけで,麻原彰晃がオウム真理教を作ったに違いない」(58頁)など,書いている。
特にどうかな,と思ったのが「私自身はたとえ責任能力がなく罪に問うことはできなくても,精神病院に入院させて一生出さないなどの措置が必要なのではないかと思っています」(60頁),だとか遺産分割なんかについては「そもそも裁判所に来る時点で醜い」(136頁)とか見出しをいれている。
そう感じるのは自由だし,たとえば酒の席なんかでそう口にしてもいいとは思う。ただ,書籍として出版しなくても良いではないか。国民の裁判官に対する信頼を損ねるのではないか,と思うところはある。

楽天ブックス​​
裁判官失格 法と正義の間(はざま)で揺れ動く葛藤 (SB新書) [ 高橋 隆一 ]





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最終更新日  2020.02.08 12:38:18
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