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2020.05.06
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カテゴリ:漫画の研究
日本の劇画王・梶原一騎が漫画界に与えた影響は絶大である。梶原漫画の哲学や台詞を借用した漫画は珍しくない。
実はキン肉マンもかなりの部分で梶原漫画から借用しているものがあるところ、これは知られていないようだ。キン肉マンをより深く楽しむためにも、梶原漫画を読んでおいた方が良いだろう。
このシリーズだけで何回もできるのだが、今回はモンゴルマンに絞って考察をしていきたい。



キン肉マン 12【電子書籍】[ ゆでたまご ]


おさらいだが、ラーメンマンという超人は、ウォーズマンとの試合で頭部をベアクローでえぐられ、再起不能になった。
しかし、そんなラーメンマンは「霊命木」の発するガスを吸っているときだけ、普通に活動できるので、霊命木で作ったマスクをかぶり、モンゴルマンとして復活するのだ。
この流れで、ラーメンマンが霊命木のマスクをかぶる必要があるのは理解できる。だか、なぜモンゴルマンとして姿を変え、正体を隠さなければならないのか?
これについての明確な答えは作中で明言されてなかった。
この答えは、漫画タイガーマスクで、ザ・グレイトゼブラと名と姿を変えてタイガーのため戦ったジャイアント馬場オマージュであろう。



タイガーマスク(3)【電子書籍】[ 梶原一騎 ]


ちょっと場面を切り取って見ていこう。(画像の引用は全て『タイガーマスク』3巻)
タイガーマスクでは、覆面ワールド・リーグ戦という、覆面レスラーだけの大会が行われた。数々レスラーと戦い、傷つき、疲れ切ったタイガーマスクだが優勝するにはミイラとライオンマンの2人に勝たなくてはならない。そんな場面である。
ここライオンマンの怪力に逆らう形で、謎の覆面レスラーが登場する!


(タイガーマスク2巻136頁、「何者だっ、ライオンマンの怪力に逆らうやつは!?」)

これが初登場の謎のレスラー、ザ・グレイトゼブラである。名を挙げるチャンスと見て、参戦したのだ。


(タイガーマスク2巻138頁。有名になりたいシマウマ!)

その上で、ゼブラは残った覆面レスラー(タイガーマスク、ライオンマン、ミイラ)の試合をまとめて終わらせるため、タイガー・ゼブラ組とライオンマン・ミイラ組によるタッグマッチを提案するのだ。


(タイガーマスク2巻139頁、暴挙とも言えるタッグマッチの提案)


よく訓練されたキン肉マンファンは、思い出せるはずだ。
これと同じ流れでモンゴルマンは顔を名前をし、バッファローマンの1000万パワーに逆らってハリケーンミキサーを止め、「有名になりたいから」と参戦を表明したうえで、キン肉マン・モンゴルマン組とバッファローマン・スプリングマン組のタッグマッチを提案する。


(『キン肉マン』12巻34頁。1000万パワーに逆らう場面。ラーメンマンって、こんなパワーキャラだっけ…?)


(『キン肉マン』12巻39頁。突然のタッグマッチ)


(『キン肉マン』12巻41頁。有名になりたい)

また、試合運びでも、ザ・グレイトゼブラに変装した馬場は得意技の十六文キックを出そうとして、やめてしまう。
十六文キックといえばジャイアント馬場の代名詞的な必殺技だから、正体がバレるのを嫌がったからだ。


(『タイガーマスク』3巻160頁。得意の十六文キックを封印するゼブラ)


同じく、モンゴルマンもラーメンマンの得意技、キャメルクラッチを途中でやめてしまった。
これもやはり正体がバレるのを避けるためだ。


(『キン肉マン』12巻68頁。得意のキャメルクラッチをやめるモンゴルマン)

こういったシーンを見比べるにつけ、キン肉マンにおけるモンゴルマンが、梶原一騎の『タイガーマスク』の影響を全く受けていることを感じる。
場面をなぞるあまり無理がでていて、「有名になりたいから」と言って参戦するのは、なんだか違和感がある。これは変装のためと好意的に解釈しても、1000万パワーのバッファローマンの怪力に逆らう形での登場は、テクニックが売りのラーメンマンらしくない。タイガーマスクの影響を受けて作られたと見るのが自然であろう。

ただ、全く流れが同じというわけではない。違いは様々な面で現れている。
第一の点として、正体を隠す動機である。ここは梶原一騎の方に軍配があがる。
タイガーマスクにおいては、馬場は覆面レスラーではないので、覆面ワールド・リーグ戦に出るためには、とうしてもマスクをかぶる必要があった。また、ジャイアント馬場ほどの実力者だから、正体がバレていれば飛び入り出場は出来なかったろう。そういう意味で、必然性のある正体隠しであった。
また、試合が終われば別に正体を隠す必要もない。早々にネタばらしが行われた。



(タイガーマスク3巻190頁、早々に正体を明かす馬場)

一方で、ラーメンマンがモンゴルマンに正体を隠す必要性があったかというと、そこに合理的な理由はなさそうだ。普通に、「キン肉マン、お前ばかりいい格好はさせないぜ!」とでも言って参戦すればいい。
恐らく、「正体不明の超人が助っ人に来たら面白いだろうなぁ…」というコンセプトでモンゴルマンは生まれたのだろう。
こういう面では見て、第一の動機面ではタイガーマスクの方が完成度が高く、自然なストーリー運びになっているといえる。

では、第二の面として、覆面レスラーの魅力はどちらが描けているか。これは間違いなくゆでたまご先生である。
タイガーマスクにおけるザ・グレイトゼブラはあくまで覆面レスラーワールド戦のみの限定キャラであった。早々にネタバラシがされると、このあと二度とストーリーには登場しないし、話題に出ることもない。
一方でキン肉マンは暴挙に出る。モンゴルマンも試合後、早々に正体をバラしたはずなのに、これはなかったことになる。
再びキン肉マンたちはモンゴルマンの正体を知らないていで話が進む。単純に「正体不明のキャラ」というのはそれ自体魅力かあるもので、リアルタイムの読者はモンゴルマンとラーメンマンの関係性について議論を楽しんだことだろう。

このように、モンゴルマンは登場の仕方、第一戦の試合運びこそタイガーマスクのオマージュでありながら、モンゴルマンはいったん正体を明かしながら、再びバレバレの正体を隠すという暴挙によって、マスクマンの魅力を活かすことができた。
この力技はゆでたまごにしかできない。ライブ感の魅力としか言いよう。



キン肉マン 12【電子書籍】[ ゆでたまご ]






最終更新日  2020.05.06 20:10:42
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