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2020.09.19
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テーマ:法律(467)
カテゴリ:法律
離婚に関する実務書は多いものの,民法770条5号にいう,「婚姻を継続しがたい重大な事由」(以下,長いので「重大事由」)だけに絞った本というのは珍しい。
最近は,不貞慰謝料に特化した書籍や,婚姻費用・養育費に特化した書籍も出ているので,最近のトレンドは特化の時代なのかもしれない。


判例に学ぶ 婚姻を継続し難い重大な事由 [ 本橋美智子 ]

さて,本書であるが意外に薄い。たったの200頁くらいしかない。
それでいて90頁~200頁は参考判例の紹介という体裁を取っているため,重大事由を理論面から掘り下げるところはさほどない。
しかも,本書はなぜか離婚慰謝料について章を立てて15頁ほど論じているため,ますます重大事由についての分量は少なくなると言う仕組みである。この点は少しいただけない。
ただ,重大事由はさまざまな要因が混在する事例判決としかいえなものを分析し,一定の法則性を見いだすという作業は大変だろうし,究極的には裁判例を紹介してケーススタディをさせる,というほかはないのかもしれないね。そんな判例紹介部分は,著者が要約してくれたり,簡単な評釈を入れてくれるのでずいぶんと助かる。

感想として,とりあえず2点ほどあげみよう。
重大事由というものを検討するにあたって,事例判決の集積のような裁判例からではなく,学説に触れないわけにはいかないのだが,さまざまな学説が紹介さえれていて,これは興味深い。
僕としては,正直言ってもっと簡単に,一方が離婚を求めて1年くらい別居しているというのならば,国家が強制的に婚姻状態を続けなくても良いのではないか,というかなり過激な思想を持っている。ただ,反対説にも傾聴すべき理由はあるのだな,と思い至ったところは収穫である一方で,僕とさほどかわらん考え方の学者がいるというのは心強い。
よく考えてみれば,結婚を神聖視して離婚は許さない,という思想は西洋キリスト教のものであり,文化的にそこまでこだわらなくても・・・とは思うのだ。


次に,重大事由を語る上でセットになる有責配偶者というの。
なんとなく,有責配偶者,つまり「破たんにつき専ら又は主として原因を与えた配偶者」というのは暴力なり,モラハラなりも含まれるのだろうと考えていたが,意外にも著者の調べではそうではない。基本的に有責配偶者となるのは不貞をした配偶者であり,不貞以外で有責配偶者と認められたのは,たったの3件にすぎないというのだ(本書27頁)。もちろん,この3件にはモラハラ事案なんかも含まれているが,暴力とか,結婚中に犯罪を犯して逮捕勾留されたというような事案は入っていない。
暴力だとか結婚中に犯罪を犯した,なんてケースは弁護士をやっていると,それなりに見るのだが・・・。ただ,思い返すと,その手の事案は判決に行く前に終わってるから判例集に載らないだけか・・・。
なお,判例紹介のコメント欄を見ていると,有責配偶者という言葉は使っていないけれど,実際はそういう趣旨だろうというのもあったけれど。

とりあえず,後半の判例紹介パートは綺麗に整理されているので必要に応じて読み返すだろうな,という感じ。本棚に並べておこう。


判例に学ぶ 婚姻を継続し難い重大な事由 [ 本橋美智子 ]






最終更新日  2020.09.19 11:44:54
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