リタイヤした～元？ｗｅｂ消防・救急出張所

あなたは視界０の濃煙から、脱出することが出来ますか？
我々は、その中から物言わぬ要救助者を救出しなければならないのです。救助技術を少しお教えしますね！

いつもご覧頂きありがとうございます。こんばんわ。
今回は非常に自信作なので４度目の掲載になりますので、すでに見た方は、スルーして下さいね。ゴメンなさい！
みなさんも一度は体験されていますか、濃煙の世界。防災訓練などでスモークマシーンの煙体験をすることが出来ますよ！
実際の火災現場は、濃煙＋相当な熱気などがあり、自分が無事に脱出するだけでも大変なことです。
愛媛県でも消防学校の訓練棟の地下に訓練室があり、実際の装備（火災装備＋空気呼吸器・決して酸素ではありませんよ。酸素を呼気と合わせる方式の呼吸器も完備されていますが、、消防では出場現場の状況にもより、ほとんど使いません。）で、濃煙救出の訓練をします。
我が所では、呼吸器の面体（一眼水中眼鏡のような物）を目隠しして、視界０を作って訓練しています。以前は一室で発炎筒をたき、訓練していましたが、訓練施設ではないので自粛しています。

いくら強力な懐中電灯を持っていても何の役にも立ちませんので、悪しからず！濃霧を想像して頂ければお分かりのことと思いますが...。

じゃあ、プチ救助技術をお教えしますね。

まず、落ち着いて低い姿勢で周りを良く見て下さいね。
ラッキーな状況であれば、中性帯と言って、空気の層と煙の層の境界が床面付近に残っていることがありますが、相手は空気と煙なのですぐに拡散されますから、自分でかき回さないようにゆっくりと見て下さいね。自分が通って来た方向が分かりますか？もし、覚えていて距離が短い場合はそちらに進んで下さいね。

動き出す場合は、壁が確認出来るように低い姿勢のまま、手と足を大きく床と平行に伸ばして、手で探りながら進んで行って下さい。
普段は全く気になら無い物が、障害物となりますし、方向感覚は０になりますが、自分の感覚で方向や距離は覚えておいて下さいね。万が一戻らなければならないかも、しれませんから...何か目印になる物を見付けておいてもいいでしょう。

進んで行くと、障害物が沢山ありますが壁を見失わないようにして下さいね。自分で動かせる軽量な物は、室内の中心方向に邪魔にならないように寄せておきましょう。
そのうち、ドアらしき物があると思いますので、見付けても一気に開放しないで下さいよ！

まず、施錠されていないかドアノブを回してみて、開錠されていればドアの温度を手の平でやけどをしないように感じて下さい。高温になっていればそのドアは、諦めて（隣の部屋でかなり燃焼しているので、うかつにドアを開けると逃げ道がないばかりか、あなたのいる部屋にも火災が延焼して来ます。最悪、爆発的燃焼を起こすフラッシュオーバーの可能性もあります。非常に危険です！）次のドアを探しましょう。
何か昔流行った巨大迷路を彷徨っているようですね。

運良く脱出出来るドアに辿り着けましたか？
我々は、限られた時間内に、物言わぬ要救助者を探し出し救助するのです。もちろん、すぐに脱出出来るようにロープで確保していますが、このロープが命取りになる場合もあります。

ご自宅でも目隠しして練習が出来ますので、やって見て下さいね。ご自宅は住み慣れているので、簡単だと思いますが、思わぬ物が障害物になりますので、一度体験してみて下さいね。
くれぐれもケガをなさいませんよう、ご注意下さいね！

この技術を身に付けたからと言って、火災現場などであなたが誰かを救出に行くのは、絶対にお止め下さいね。室内の区画も分からず、二度と生還出来ませんし、あなた自身も要救助者になる可能性があります。
時間は掛かりますが、我々プロを信用してお任せ下さいね。

私は脱出方法をお教えしましたが、救出技術はお教えしていませんので、悪しからず！
大変ですよ意識のない人を救助するのは...。試しに誰かに倒れてもらって、自力で５ｍほど動かして見て下さい！

じゃあ、くれぐれもあなたが要救助者にならないことをお祈りします！

ありがとうございました。