ボストン美術館「スポルディング・コレクション」:デジタル化され公開されている絵画
9月7日(日)のNHKスペシャル「よみがえる浮世絵の日本 封印が解かれた秘蔵コレクション」は,ボストン美術館に収蔵されている6500枚もの膨大な浮世絵版画のコレクション,「スポルディング・コレクション」を扱っていた。保存状態の良さに息を呑む外国人研究家の様子などが印象に残ったが,番組中,ボストン美術館が公開しているデジタル化された浮世絵のデータを,日本人の研究家たちがスクリーンに映しながら議論している場面があった。調べてみると,以前取り上げたレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」のように,この「スポルディング・コレクション」も研究者だけでなく一般にも公開されているようだ。ボストン美術館本家サイトの中央の赤いメニューから COLLECTIONS > Art of Asia, Oceania and Africa に進み,右の灰色の Sub-collections から Japanese Prints に,そして中央の Highlights から Spaulding Collection に進むと,それぞれの高精細な画像を閲覧できる。「最後の晩餐」のように超高解像度とまではいかないが,小さな文字はもちろん細かい質感まで伝わってくる画質で,実際に美術館で近くまで寄って見ている感覚でじっくり鑑賞できる(「+」で拡大,「-」で縮小,「PAN」で縮小画像をドラッグして移動するモードにそれぞれ変更できる)。ただ,やはりコピー防止の処理はされているようだ。また,作者名や作品名が基本的には全て英語表記なので,私のような素人は膨大な量のデータの中から自分好みの絵を探すのに少し時間がかかる。画像の説明に一部日本語表記が出てくる場合もあるが,検索では日本語を受け付けてくれないので,例えば歌川国政の作品を見たければ検索ボックスに「kunimasa」と入れる必要がある。所蔵されている浮世絵全てがデジタル保存されているわけではない(例えば国政だと表示される60枚のうち画像が公開されているのは32枚)。公開されている画像だけを見たければ,sort の has image をクリックし, prev で Image Only にすれば一度に20枚ずつ表示されるので探しやすくなる。そうした場合の国政の検索結果がこちら。 葛飾北斎の富嶽三十六景を表示するために「hokusai thirty-six」と検索した結果がこちら。版画なのでいくつかの版が所蔵されているものもあり,「神奈川沖浪裏」は5枚がデジタル化されている。ステレオタイプな日本のイメージとしてよく引き合いに出されるこの絵も,このように改めてじっくり眺めてみるとその構図の面白さに素直に感動する。海から眺める富士という構図は以前にもあったのだろうが,そこから,荒れ狂う海の一波の下に富士を置くという発想がよく出てきたものだ。このようにウェブ上で作品を一般に公開する試みは世界中で行われているようで,例えばロンドンのナショナル・ギャラリーでも所蔵作品の高精細な画像を見ることができる。一点透視が印象的なホッベマの「ミッデルハルニスの並木道」はこちら。ただ,ここでは1つ閲覧するごとにダウンロードの経過を表示するJava Appletのウィンドウが出てくるのが少し面倒。 これまでにレビューした機器・CD一覧はこちらこのブログ内をGoogleで検索もっと知りたい葛飾北斎 生涯と作品 永田生慈 著もっと知りたい歌川広重 生涯と作品 内藤正人 著中国家具・中国雑貨専門店 アンティーク東洋