カテゴリ:テレビ番組・映画
今まで日曜日の深夜はたいていBS2の「迷宮美術館」を見ることが多かった。絵画をテーマにしたクイズ番組で,独特の切り口や,段田安則の活弁に合わせた中村有志のパントマイムなどがおもしろかったのだが,4月からの改編でBS hiでだけの放送となり,見ることができなくなった。その枠で代わりに始まったのが「名曲探偵アマデウス」で,筧利夫扮する探偵の天出臼夫が依頼をもとに名曲にまつわる謎を解明していくというドラマ仕立てのバラエティ。ドラマ仕立てというのがそもそも苦手なのだが,そのドラマも,主人公の名前「あまで うすお」を始めとするNHKのコメディ特有のノリが随所に見られ,個人的にはちょっと微妙だった。 しかしテレビ欄によると今回はバッハの「ゴールトベルク変奏曲」だったので見てみた。グレン・グールドの演奏が有名なこの曲は以前から興味はあったが,きちんと聴いたことがなかったので。ドラマのノリは相変わらずだったが,曲の構造に詳しく触れていたのは興味深かった。随所でVTRが挿入されるのだが,やはりグールドの演奏には鬼気迫るものがあった。 ![]() 死の前年に録音された演奏がYouTubeにあった。もともと厳密な計算のもとに作られた音楽だが,彼の演奏には,ここにはこの音しかありえないという確信のもとに1音1音弾いているかのような力強さがある。「ロシアの旅」などのドキュメンタリーも見てみたくなった。 「ゴールトベルク変奏曲」の構造を宇宙のそれと結びつける宇宙物理学者佐治晴夫氏の話などはちょっと言い過ぎのように感じたが,この曲が高度に幾何学的な美意識のもとに組み立てられているのは間違いないだろう。 そういう意味で,この曲をDTMで演奏してみるのもおもしろい。何より難しすぎて並のピアニストでは満足のいく演奏ができないというのもある。以前紹介したサイト「Classic Cat」でアマチュア演奏家の演奏を聞くことができるが,グールドよりかなりテンポを落としているようだ。この曲のMIDIファイルはウェブ上を検索するといくつか見つかるが,おすすめはこちらのサイト。この曲に関する様々な情報もまとめられており参考になる。使用楽器はピアノだけなのでどの音源でもそれなりに上手く再生できるだろうが,パソコンに「Microsoft GS Wavetable SW Synth」などしか入ってなければ,S-YXG50を導入するとより良い音で聴ける。TMIDI Playerで聞けば楽器をチェンバロやローズ・ピアノなどに変更することも簡単だ。S-YXG50の導入が面倒ならヤマハ提供のミッドラジオプレーヤが手軽。複数のファイルを連続演奏させることもできる。 ![]() ![]() ![]() J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲:1981年録音の映像版。特典映像も充実。 ピアノ,その300年の歴史:グールド,チック・コリアら出演の音楽ドキュメンタリー 高音質CD xrcd shop お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年05月17日 15時44分46秒
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