カテゴリ:ヘッドホン
![]() ![]() コンデンサー型ヘッドフォンを追求して独自の地位を築いているスタックス。HD580などの一般的なダイナミック型ヘッドフォンのようにヘッドフォンジャックに直接繋ぐことが出来ず,専用のドライバーユニット(ヘッドホンアンプ)が必要になる煩わしさはあるが,分解能の高いその独特の音は海外でも高く評価されている。最近はダイナミック型でもAKG K701などコンデンサー型に近い印象の音を出すヘッドフォンもあるようだが,少なくとも私の所有しているものの中では,クラシックのヴァイオリンの響きを楽しむにはスタックスがもっともしっくりくる。念願の最上機SR-007を手に入れたときはSR-007(OMEGAII)とSRM-007tの組み合わせで聴くことが多かった。真空管ドライバーとの組み合わせということもあり,特に弦楽器の響きはこの組み合わせにしか出せないと思わせるような魅力がある。今はそれぞれモデルチェンジしてSR-007A,SRM-007tAとなっているが。 ![]() しかし,SR-007をしばらく使っていて苦痛に感じてきたのが365gというその重さ。肉厚のイヤーパッドは柔らかく,またユニットとイヤーパッドがそれぞれ回転するという機構のため耳にジャストフィットするので装着感は文句ないのだが,やはり重いので長時間つけ続けるのは辛い。 ![]() ![]() ![]() そんなSR-007に代わって最近よく活躍しているのが,Classic SysytemII SRS-3030のイヤースピーカー,SR-303だ。何より300g程度と軽いのが魅力。約260gのHD580と比べるとまだ重いが,つけてみると重さから想像する以上に身軽に感じる。イヤーパッドが薄いためつけやすいというのもあるのだろう。側圧が低いため見た目よりも装着感は良く,長くつけていても疲れない。インナータイプのSR-003のほうが身軽さという点では上だが,これはカナルタイプなので意外と装着が面倒なため,私にとってはSR-303の方が使い勝手が良い。 いくら装着感が良くても音が悪ければ意味はないが,SR-303の音質には侮れないものがある。確かにSR-007と比較してしまうと低域と音場感の点ではやや物足りないところもあるが,スタックスの肝である高域の美しさはSR-007に迫っており,少なくとも,7倍近い価格差ほどの開きは感じられない。SR-007の原型であるSR-Ω(オメガ)は90年代に登場したあたらしい系列だが,SR-303は1979年の登場以来バージョンアップを重ねているSR-Λ(ラムダ)の系統ということもあり,おなじみの籠型のデザインにも長年培われた伝統が感じられ,安心感がある。ラムダ系最高峰のSR-404とも使われているケーブル以外に大きな違いはなく,お得感は高い。 ![]() ドライバーとしてSRM-007tを使う前は,同じくClassic SysytemII SRS-3030のSRM-313を使っていた(現在はモデルチェンジによりSRM-323Aとなっている)。トランジスタということもありSRM-007tと比べるとやや地味な印象はあるが,その分透明感があり,どんなソースでもバランス良く鳴らしてくれていた。方向性が異なるだけで音質的にSRM-007tより劣っているという印象はないため,価格を考慮せずともこちらのほうを好ましく感じる人もいるだろう。SRM-007tより一回り小さい大きさも魅力。 ![]() というわけで,スタックスの中でも最もコストパフォーマンスが良いのはSRM-313+SRM-313のシステムであるSRS-3030,今ならSRS-3050A(SRM-313+SRM-323Aのシステム)ではないだろうか。特に現在のSRS-3050Aは,ドライバーのSRM-323AがSRM-313よりさらにバランス良く調整されていると評判だ。10万を超えるヘッドフォンアンプを買うことを思えば,75,000円程度でスタックスのリファレンスと言えるシステムが手に入るのはありがたい。ダイナミック型ヘッドフォンしか持っておらず,もっと繊細な音を求める人にはぴったりだろう。もっとも,SR-303は見てのとおり材質もプラスチックで高級感はあまりないので,見た目重視の人にはおすすめできないが・・・ こだわりのオーディオアイテム スピーカー新製品情報 PLATINUM COLLECTION:各界著名人が厳選し一流と認めた珠玉のホテル達 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年09月04日 22時36分39秒
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