心をつむごう

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ゲーム紹介

2005年09月13日
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カテゴリ:ゲーム紹介
勝利点・耐久力・速度マネジメント・レース・ゲーム

日本語版:ボードゲームのおもちゃ箱
作:さとー
画:puppi
プレイ人数:3~5人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:30~60分

『F1サーカス』3人ゲーム終了時

 このところ日本の同人ゲーム界がアツい。3月におこなわれ、毎年規模と内容を拡大していくゲームマーケットでも、一般のショップと肩を並べて、多くの同人ゲームデザイナーたちが創意工夫をこらしたゲームを発表している。テストプレイやディヴェロップ不足が否めない作品も多いが、玉石混交のコミケ出品ゲームに比べれば、遥かにアタリが多い。今年はそのようすが、ドイツのボードゲーム専門誌SPIELBOXにも紹介されたほどだ。そんなわけで、これから世界に羽ばたいていく予感を秘めた日本のゲームデザイナーたちをも、積極的に応援していきたい。
 なかでも「ボードゲームのおもちゃ箱」は、なんと6人からなるゲームデザイナーの集団で、ゲームマーケット2005では全員が新作ゲームを発表するという快挙をなしとげた。
 うち、さとー氏の発表した『朝まで総選挙』は、カラーのプラスティック・キューブをもちいるなど、軽く優れたシステム以外に、コンポーネントの点でも注目された。そのあと半年もたたないうちに、夏のコミケにクトゥルフ神話を題材とした『テケリリ』を発表。日本では受けないジャンルであるトリック・テイキング(基本はトリックをとってはいけないので、アンチ・トリックテイキング?)にもかかわらず、切り札のいらない斬新なキャンセル・システム、世界観にマッチしたイラストなどで高い評価を受けている。
 そんなさとー氏にも、あまり知られていないゲームがある。今回とりあげる『F1サーカス』が、それである。果たして、どんな仕上がりになっているのか?

●ゲーム紹介
 はっきり言って、最初は期待していなった。「ダイスでF1? ユーロゲームズ(現在はアスモデー・エディションに吸収)の『フォーミュラー・デー』でいいじゃん? そのミニタイプ? いや、まさしくそのまんまのあるって……」という感じ。
 それでも『朝まで総選挙』が面白かったので、必死にカードやボードをダウンロードしてタック・シールに印刷し、厚紙に貼るなどの工作を刊行。各プレイヤーは、ランダムに1枚ずつ監督カードを受け取り、いざ出陣とあいなった。
 そしていきなり入札である。

 6ポイントを工面して、ドライバー、エンジン、シャシーを購入しなくてはならない。それぞれプレイ人数+1の選択肢があるが、ブラインド入札なので、バッティングしたらより高い金額をつけたほうが勝ち取る。同点なら、監督カードの優劣で判定される(監督はそれぞれ、どの入札に強いかが1~5の数値で決まっており、したがってタイはないため、必ずスムーズに決定する)。入札に負けた監督は、残ったカードを競り落とす。
 こうして3つのパーツをすべてゲットするわけだが、ポイントが足りなくなったら借金ができる。ただしゲーム終了時に3倍返しである。
 秀逸だと思うのは、ここで使い残したポイントが、そのまま勝利点に変換されることだ。つまり、ただの準備フェイズではない。勝利点を削って、マシンを買うのだ! まったく気が抜けないシステムである。

 次は予選だが、ドライバーによってダイスが3個か2個振れる。出目の1以外の一番低い数字を、エンジン・カードに書かれた表で参照し、実際に進んだマス数を出す。振ったなかに6・6があればクリティカルで、エンジンごとに決められたブースト値を追加できる。逆に1・1があればファンブルで、車体強度が1削られ、走行距離は2の欄を参照する(1以外の一番低い目なので、2が出ていなくても2が出ていることになる)。つまり、3個振りドライバーはクリティカル/ファンブルが多いギャンブル型で、2個振りは冷静沈着なタイプなのだ。
 こうして1回振りで出した進行距離に応じて、フロントローからマシン駒を並べていく。進行距離が一緒なら、ドライバーごとに決められているアタック値の高いほうが優先される。さあ、いよいよ本戦だ!(ちなみに、予選で受けたファンブル・ダメージは、本戦までには修理されているので、ご心配なく)

 1レース目は、高速コースのモンツァコーナーの緑マスや、シケインの赤マスは少なく、平坦な灰色マスが続く。シャシーはコース上の3つの色に対応しており、のマスに入るのに何移動力必要かで、コーナーリング性能を表現している。
 毎ラウンド、車の並び順にプレイヤーの手番を繰り返してマシンを走らせる。したがって勝つためには、基本的に最終コーナー間際で先頭に立っていなくてはならない。ここで、ただのサイコロ振りゲームに終わらないための、2つのルールがある。

 各プレイヤーとも2つのブーストチップがあり、それを使うとエンジンで規定された分だけ余計に進める。2つ一緒に使ったり、クリティカルによるブーストと併用も可能だ。ブースト力の高いマシンで、この必殺3倍ブーストを使うと、今述べたばかりのセオリーを破り、並みいるマシンをゴボウ抜きにして一気にフィニッシュすることもできる!

 もうひとつは「マシンの耐久力を削って、1以外のサイコロ1つを無視できる」システムである。たとえば1・2・5と出たら、2をシカトして5の目で走れるのだ! 優秀なドライバーはマシンの耐久力を1上昇させるので、身を削る走法を使いやすい。よくF1マシンが、フィニッシュラインを超える間際に、変速機のギアが削れて使いものにならなくなっていたりするが、それを髣髴とさせる男のロマン! むろんロマンを追求しするぎると、リタイアの憂き目に遭うわけで……
 ともかく確率を、人間の力であるていどコントロールできる(ような気にさせてくれる)部分が、すごく気に入っている。

 1レース終了すると、1位10点、2位6点、3位3点、4位1点を獲得し(リタイアは0点)、次はテクニカル・コースの鈴鹿である。同様に予選をおこないスタートするが、のマスばかりで、進まない進まない(笑)。いい感じにイジワルなコース。
 他にもコースの妙があり、道幅が2台分しかないので、うまく2台を並べることができれば、後続から追いあげてくるマシンを、そこで止めて余った出目を無駄にさせることができる。ダイス振りなので、なかなかそう都合よくはいかないと思いきや、鈴鹿はシケインやコーナー近辺で車がかたまることが多く、耐久力を削る走りとも併用すると、レース展開しだいで案外できてしまってダンゴ状態になったりする(笑)。

 そんなこんなで2戦が終了すると、勝利点を集計して勝敗を決める。
 あと2コースほどほしい気もするが、逆に2レースだけの手軽さもよく、甲乙つけがたい。
 まだ3人でしかやってないが、最初から最後まで一喜一憂する展開(プレイレポートは4~5人でプレイしたときに掲載しよう)。

 まずは勝利の美酒を。ブラボー、日本のゲームデザイナー

参考:プレイゲームでの評価






最終更新日  2005年09月13日 15時08分17秒
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