『伝説のベーオウルフ』
神話世界の競合型クエスト達成ボードゲーム英語版:Beowolf the Legend/FantasyFlightGames独語版:Beowulf Die Legende/Kosmos作:ライナー・クニツィア画:ジョン・ハウプレイ人数:2~5人対象年齢:12歳以上プレイ時間:60分 カプコムからも邦訳が出た『指輪物語』のクニツィア&ハウ・コンビが、再びイギリスの伝説に挑戦。今度は、生涯3体の怪物(グレンデルという名のトロール、その母の海魔、そして燃えあがる炎の竜)を倒した南スウェーデンの英雄ベーオウルフです! アングロ・サクソン魂が炸裂する、血湧き肉踊るストーリー! あなたがたは、英雄ベーオルフの腹心の部下で(腹心の部下は大切に)、その冒険行に生涯同行し続けます。ベーオウルフの最期は竜と刺し違えることになっており、その段階でもっとも“名声”が高かったものが、その遺産と王位を継ぐ勝者となるのです! 不思議なL字形のボードには、ベーオウルフの生涯が流麗に苛烈に描かれ、その道行きは36のエピソードに分割されています。各エピソードでは、ベーオウルフを支援する行動が決まっており、各プレイヤーはそれを成し遂げるかどうかで、名誉・財宝・信任状・特殊カード・呪い・負傷を得ていくことになります。 エピソードは些細な(minor)なものと、重大な(Major)ものに分かれ、些細なものは無視してもペナルティはありませんが、重大なエピソードには必ず全員が参加します。重大なエピソードは、同時プレイ(ブラインド入札)と順次プレイ(通常の競り)の2種類に分かれ、条件に適合するカードをプレイしていきます。 基本ルールでは、財宝と信任状も“名誉”に合計します。そこに、負傷マーカーがないなら+5点、1~2個なら±0点、3つ以上なら-[負傷数×5]を加減します。 上級ルールでは、最後の戦いの後に全ての財宝と信任状で入札をおこなうので“名誉”と負傷のみで勝敗が決まります。 さらにヴァリアント・ルールでは、負傷が3つ以上のプレイヤーは、ベーオウルフの死出の旅に同行し、ゲームから除外されてしまいます(『ハイ・ソサイティ』の足切りルールに似ている)。 システム偏重でワールドを無視する傾向があったクニツィアですが、『指輪物語』以来、世界観に密着したルールを作成するようになりました。まあ『タージマハール』の変形という話もあるのですが、それでもジョン・ハウの絵ともあいまって雰囲気充分。彼の移住先であるイギリスの風土が、いい影響をおよぼしたのかもしれません。 この間のジェンコン・プレビューでも評判がよかったらしく、ともかく10月の発売が待ち遠しい。 原作を知らなくても、ボードの絵と、ルールブックのエピソード解説で誰にでもベーオウルフ伝説が肌で感じられる、注目の作品です!註:このページで使用されている画像は、FantasyFlightGames から特別に使用許可をいただいております。無断転載厳禁でおねがいします。