翼のはえたライオンあなたはライオンのように、 誇り高く、美しい、王だ。 たとえ今そう呼ばれていなくても、 ほどなくあなたはそう呼ばれるだろう。 誰よりまずあなた自身があなたをそう呼ぶのだ。 しかし王と呼ばれても、 玉座に座り王冠をいただく必要はない。 いわゆる「王」になる必要はない。 いわゆる「王」のように、 人の何かを背負う必要はなく、 その一方であなたは、 すでに世界を背負っている。 あなたは人の何かを背負うには弱く、 あなたの役割を生き、世界を背負うにはすでに十分強いのだ。 そのために、あなたには翼が生えている。 あなただけの翼だ。 他の誰かには、それが見えないかもしれないが、 あなたには見える。 あなたにはどう見える、あなたの翼が。 あなたにはどう聞こえる、この翼の羽ばたきが。 あなたにはどう感じる、あなたの翼の鼓動が。 あなたには見え、聞こえ、感じる。 なぜならあなたはかつて、 これを使ったことがあるからだ。 あなたはすでに強く、 その翼で飛ぷ。 これまでも。 これからも。 あなたがまた羽ばたくとき、 あなたにはたくさんの仲間の声が聞こえるだろう。 たくさんの仲間の息吹をその胸に感じるだろう。 たくさんの仲間の姿を近くに彼方に見るだろう。 世界は、そんなあなたをずっと必要としてきた。 そう世界は、いつもあなたを待っているのだ。 (「天職の作法」小阪裕司著より) |