七国峠の たまご    -小林養鶏農園-

2008/06/26(木)20:36

卵の値上げ報道

自然卵(46)

さっき撮った当園の近くです。梅雨の山もまたきれいです。 さて、全農という鶏卵生産、販売のトップが値上げを発表し朝日、読売、毎日といった全国紙でも大きな扱いです。2位のイセ食品も追随の様子。高価格帯のブランド卵について10個当たり30円の値上げの意向で「しんたまご」300円を330円にしたいとのこと。  鶏の飼料はトウモロコシが約60%で昨年来6割以上の値上がりとなり、生産者は元々が利益が少ないため、廃業、倒産も多々あり、もはや産業として消滅しつつある状況です。バターが店頭から消えた例でみればわかりやすいですが、値上げしなければ牛の飼料代がない中で価格UPを拒否するスーパーや買い手という相対的構図に単純な原理があるでしょう。必要なコストがなければ生産はできないのです。このままでは同様に漁船の燃料代の出ない漁業等は崩壊し、基礎的食品のない時代となるのは確実でしょう。米も生産者の高齢化で65歳以上が70%近くで、あと5年で農業は崩壊するところにあります。以前であれば外国から輸入という道もありましたが現在、輸出国では自国をまかなうため輸出制限で、日本の国内で自給率を上げるほかありません。方法論は優秀な官僚や政治家が考えるでしょうが、重要なのは消費者の意識で“高いのはダメ”という認識を変えることが必要です。このことはバターやイカで、すでに経験済みですよね。必要なコストは払う、自国の食料は自分たちで守るという発想に転換できなければ“食料危機”が現実となるでしょう。“今、そこにある危機”を回避できるのは一人一人の意識です。 当園そば  たまごは、かつて高級品だったものが昭和40年頃から大量生産の時代を迎え劇的に価格が下がり、ついに供給過剰となり、ずっと低価格のままで現在でも昭和27年の価格水準です。米や野菜にみられる大量生産の弊害として農薬、化学肥料が指摘されますが、卵も同様に生産向上のため薬品、添加物の大量投与により健康上の問題となっています。こうした中で安全・安心を標榜する有機野菜や自然卵等の農産品の登場となります。でも、おかしいですよね。安全は食品として当然のはずですが。需要供給で相場が決まりますが、現在の水準では廃業が相次ぎ、いずれ生産者は、いなくなるでしょう。安定的に生産できる価格帯は当然で、価格UPの受容不可となれば、たまごは、なくなるという単純な状況にあります。  お考え下さい。  最高級卵では安い部類です。   

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