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ペルテスっ子

入 院

入院生活の始まり。

2003年 9月1日 月曜日。

午前中
は、地元の小学校の友達に、お別れの挨拶に行きました。
久し振りに会う友達。takuは照れ臭いのか、車椅子で廊下を行ったり来たりしています。

クラスの友達の中には、
転校の事を知っている子もいて
「足どうしたの!?」 「何処に行っちゃうの!?」と口々に話し掛けてくる。

担任の先生が、病気の事を説明して、takuに挨拶をしてと促す。
いつもは、全く物怖じしないtakuなのに、「なんて言ったらいいの?」と訊いてくる。

「takuは、足の病気の為に入院する事になりました。転校もします。
でも、又こっちの学校に帰って来るから、その時は仲良くして下さい!」
takuの代わりに夫が、子供達に話をしました。


「歩けなくなっちゃったの!?」
「いつ帰って来るの!?」

takuは、ニコニコ笑っているだけなんだよね。
「2年位したら帰ってくるからね。また仲良くしてね!」
私達は、そう言って教室を後にしました。

この賑やかな子供達とも、暫くの間はお別れなんだね。
やっぱり寂しい・・・。

午後


入院の仕度をして、takuを病院に送って行きます。

こちらの子達も、午前中は始業式だったようですが、もう帰って来て、子供同士で遊んでいます。
takuが珍しくて、興味津々の様子。

takuの病室は、6人部屋です。中、高生のお兄ちゃんも一緒です。
takuの隣のベッドは、同じペルテスの、一つ年上の男の子。もう歩いています。

普通に歩いている様子を見ると、takuもいつかは・・・! 頑張らなきゃ・・って気になります。
養護学校に顔を出して、挨拶もしてきました。

ベッドの横の、整理タンスに着替え類をしまって、他の荷物を整理したら
もう用事は終わったのだけど・・・私は
takuのそばを離れたくない。

「もう帰ろう。」と夫が言います。
「此処に居ても仕方無いよ。子供同士の方が良いんだよ。」と言う。
そうなのかな・・・。

「taku、お母さん達もう帰って良いの?」
「うん。良いよ。」

やっぱり夫の言う通りなのだろうか・・・。

隣のベッドのペルテス君に
「takuと遊んであげて。頼んだよ!」と夫が声を掛ける。
「うん。分かったよ!」と言ってくれて、少し安心できた。

「じゃあ・・・行くね。電話してね!」

「うん・・・。バイバイ。」
そう手を振った顔が、心細そうに見えた。後ろ髪を引かれる思いだけど・・・病室を後にした。

帰りに、ナースステーションに声を掛ける。婦長さんが出て来て
「帰ります。宜しくお願いします。」と言ったら涙がこぼれてしまった・・・。
「お母さん、大丈夫ですから!後で電話させますからね。」

帰りの車の中で、私はずっと泣いていた。
家に帰る私より、病院に残ったtakuの方が、よっっぽど辛いのにね・・・。


夜、7時ぴったりに電話のベルが鳴りました。

「お母さん!」
「taku~!!」と私が応えたら・・・泣き出してしまうtaku・・・。

私も涙が溢れてきちゃう。そこで一緒に泣いちゃ駄目なのに・・・。

「ここは、テレビも自由に見られないんだよ!」
「それはね・・・仕方無いんだよ。
病気を治す為に入院しているんだから
それに
共同生活は、色々な決まりが有るものなんだよ。」

「嫌だよ!
帰りたいよー!
「頑張って! 土曜日まで我慢すれば家に帰れるから!」

泣きながら話すtakuに、私はただ「頑張れ!頑張れ!」しか言えなくて・・・。

帰宅した夫に、電話の事を話すと

「明日、会いに行ってみるよ。」

お前は行かない方がいい
会えば、別れる時に泣かれちゃうぞって・・・。


翌日

やっぱり、7時ぴったりに電話がかかって来ました。
「お母さん!」
昨日と同じです。私が応えると泣いてしまうtaku。


「今ね、隣にお父さんが居るよ。」
「そう~。今日は学校はどうだったの?」

少しの間、とりとめの無い話をして
「じゃあ、また電話してね!」と言って切りました。

少しして帰って来た夫に、
takuの様子を訊くと
姿を見つけたら 「お父さん!」って車椅子でダッシュで駆け寄って来たそうです。
ずっと、
傍を離れずにべったりだったよって。

指導の先生から、昼間の様子も教えてもらったそうです。
「taku君は、かなり
我慢強いですよ。」

普段は泣いたりしないで、ちゃんとしているそうです。
でも、電話で
私の声を聞くと泣いてしまうみたい・・・。

9月7日 土曜日。

初めての週末外泊


迎えに行ったら、takuはニコニコです。(^〇^)
「昨日の夜は、嬉しくて泣かないで寝たよ!」

(いつも泣いてしまうのか・・・)

「トイザらス」に行って、おもちゃを買う約束だったので直行です。
小さい子が遊ぶような、おもちゃは、とっくに卒業したtakuなのに
足が悪くなってからは、喜んで遊ぶんです。

笑っているかと思えば、突然泣き出して・・・。
「明日はもう、帰らなくちゃならない・・・。」って言うtaku。私達も言葉がない・・・。


家庭と、病室担当の看護婦さんとの間で、やり取りする
連絡帳が週末外泊の時に渡されるのですが

「今日は、新しく作る装具の採寸(太腿回りや、足を曲げる角度を測ったそうです。)に行きましたが
その時に
『お母さんに会いたいなあ。』と言っていました。」とか

「元気に明るく過ごしています。
時々、陰で泣いている事も有りましたが・・・。」とか
病院での様子を、教えてくれます。読んでいると、
takuは頑張っているんだなあと感じます。


楽しい時間は、あっと言う間に過ぎて
土曜日、日曜日と
楽しく過ごした分、別れる時が悲しくて
takuは、泣いて泣いて・・・。

「来週は、3連休だからね! それまで頑張ろうね!」と言って帰ってきました。
気持ちは・・・私が頑張らなきゃ! まだ始まったばかりなんだから・・・!

でも、やっぱり辛くて・・・。
takuが家に居る時が現実で、居ない時は夢みたいな気がしていました。
この頃の私は、情緒不安定で・・・今思えば うつ状態だったのかも知れません。
ここから元の私に戻るまで、かなりの時間が掛かりました。



養護学校に行く。

学校での、takuの様子が気になり 「見に行っても良いですか?」と聞いて
夫と二人で行って来ました。


合同音楽の時間で、みんなでリズム体操みたいに歌って踊っています。
体育祭の練習です。
とってもノリの良い曲で、なんだか
凄く楽しそう! d(^O^)b

先生方が、若くてハツラツとしていて、私が想像していた「養護学校」のイメージとは、かけ離れていました。
takuがニコニコ笑っているから、見ていて嬉しくなりました。(^-^)

病院で、
看護婦さんが声を掛けてくれました。
taku君は明るいですね。こっちまで明るくしてくれる様な良い子ですね!」って褒めてくれました。

ずっとメソメソしてる訳じゃ無いんだ。良い顔もしているんだな~!(#^.^#)

帰る時は、やっぱり泣かれてしまったけど・・・。(^o^;
「週末、なるべく早く迎えに来るからね!!」と言って帰りました。

病院のtakuに、私は
手紙を書きました。
「寝室の壁を、星空にしたよ!キラキラ綺麗だよ。早くtakuに見せたいな~!」

娘は、一緒にハガキを書きました。いつも喧嘩ばかりしていたのに・・・。
「がんばれ!がんばれ!帰って来たら一緒に遊ぼう!」って。

やっぱり兄妹だよね!


入院してから、2週間程過ぎた頃


夜、いつもの様に電話が有ったのですが・・・。
泣いていなかった! 入院してから初めての事です!

明るい声で
「今まで、
友達と遊んでいたよ!」(^〇^)

結局takuは、2週間で病院にも、学校にも慣れちゃった・・・!
元々、人懐っこいtakuだけど・・・子供の適応能力って凄いです。(^-^)

7時ぴったりに掛かってきた電話が、8時頃になったり
時々、電話が掛かってこなかったり・・・!

「どうして電話してこなかったの?」と訊くと
「友達と遊んでた!」 とか、「テレビが面白かったから~!」

家の事ばっかり考えているより、電話を忘れる位に楽しい方が安心なんだけど、
正直な気持ちは、
ちょっぴり寂しい母でした。(^o^;

takuは、2週間で慣れた入院生活なんだけど
私の方はtakuの居ない毎日が、寂しくて寂しくて
takuの好きなTV番組を見ては泣き、takuの好きな曲を聴いては泣き・・・。
情けないのですが実は、とても駄目な母だったのです・・・。o(><)o



両足装具

2週間過ぎて、病院生活に慣れた頃、装具が出来上がってきました。
「今日から、装具を着けてるよ。痛いよー!!

いよいよ、装具を着けた生活が始まった。
慣れるまで、大変かなあ・・・。



9月20日 土曜日。

初めて、装具を着けたtakuを見た時の、複雑な気持ちは忘れられません。
身体の自由を奪われたような・・・縛り付けられたような・・・。
1年半~2年も、この装具を着けた生活をしなきゃならないのかと思うと、takuが可哀そうでたまりませんでした。

taku11

takuは、着けたばかりの装具が痛くて辛そうです。
装具を外せるのは、ウンチをする時と、お風呂に入る時だけなんですが・・・難しいです。

初日は、痛くて何度も
ナースコールをして看護婦さんを呼んだそうです。
夜、眠れなかったようで
「俺、朝まで起きてたの初めてだよ!」と言っていました。

2日目は「あんまり痛そうで、可哀そうで、外して寝かせました。」と聞きました。


「最初は、みんな痛がるよ。」と装具師さんが、takuに言ったそうです。
「慣れるまでの辛抱だよ。」と看護婦さん達も言いました。

どれ位で慣れるんだろうか・・・??
また不安な気持ちが広がります。

滅入りがちな、takuの気持ちを盛り上げたくて
卓球場に行きました。
卓球なら、車椅子に座ったままでも出来るんだよね!

楽しい時は、痛みも忘れるみたいで、takuはニコニコしています。(^-^)


その日の夜

装具を着けて布団に入ったtakuに
「えー!? このまま寝るの!?
俺なら、こんなの着けて、絶対寝られないよー!
上の二人が目を丸くして、takuを見ています。

昼も時々 「取って!」と言いましたが、夜は・・・泣き叫んで痛がりました。

「痛いよー! 外してよー!!」 と・・・。

背中の方に、布団を厚めに引いて、少し高くしたり、足をさすったり、色々やっても駄目で
傍に居る私達も、
地獄のような苦しさでした。

もう、どうしようも無く夜中に、装具を外しました。
朝、起きたら
「あれ? なんで装具着いてないの?」とケロリとした顔で言いました。
何も覚えていないみたい。半分寝てたのかな? (^o^;

夜、病院で別れる時、(今夜もtakuは、痛がって泣くのかなあ)と思ってしまう・・・。
直ぐに『秋分の日』で、面会に来られるから、この日は泣かずにバイバイできました。


病院での生活の中で、takuは段々と装具に慣れていきました。
私の前では、涙を見せたりするtakuだけど、病院では平気そうにしています。

やっぱり男の子だから、メソメソするのはカッコ悪いって思うんでしょうね。

「昼間は、全く平気ですよ。夜は時々『痛い!』って言うけど」とか
「夜、寝てる間に自分で装具を外しちゃってました・・・!」とか色々有ったけど

結局、
装具も2週間程で慣れる事ができました。
在宅治療だったら、こうは行かなかっただろうな。
入院していたからこそ、早く慣れたのでしょう。
ずっと傍で見ていたら、私達は神経がボロボロになったかも知れない・・・。


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