2012/09/02(日)21:44
インドへ馬鹿がやって来た
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漫画家、56歳が仕事に困り、インドで日本の漫画をヒンディー語に翻訳して出版するというノンフィクション・コミック。
2003年時点では、インドには日本の漫画がなく、人口が多いので、日本の漫画をヒンディ後に翻訳して出版すれば売れるに決まっているという、著者の思い込みで、英語もヒンディ語もわからないまま単身インドに飛び込み、出版をして売るまでの悪戦苦闘が描かれている。
インドに着き、辛い料理が食べられないことに愕然とし、部屋を借りて自炊することにする。
結局、好意的なインド人の家の1室を借りることになった。
次に翻訳者探し。
日本語学校の学生に目をつけたが、なかなか適任者が見つからない。
ようやく、現地に住む日本人が翻訳を引き受けてくれた。
翻訳されたヒンディー語をふきだしに書き込む仕事をインド人にやってもらうが、なかなか予定通り進まない。
さらに、印刷代が予想より高く、1冊20~30円で出せると思っていたのが、100円以上かかることになってしまった。しかも、印刷が頼んだとおりにできず、色が違っていたり、期限がずれこんだりする。
ようやく出版にこぎつけ、露天商として売り歩いたが、さっぱり売れず、結局、インドで漫画を出版する試みは大失敗に終わる。
翻訳をしてくれた日本人のコメントに、敗因が挙げられていた。
1.インドはまだ漫画後進国であることに加え、日本の漫画は右から左に読む伝統があるため、左から右へ書物が一般的なインドではどうしても不利。
2.「血だるま剣法」という、日本でもかなりマニアックな漫画を翻訳1号としたことも冒険が過ぎた。
3.インドの言語状況と識字率に関する知識が少なかった。翻訳漫画に興味を持つ層は英語を理解するのに対し、ヒンディー語しかわからない層はヒンディー語の識字すら危ういので、ヒンディー語ではなく英訳した方が、まだ売れる可能性が高かった。
ただ、何としても日本の漫画をヒンディー語で出版するんだ、という著者の熱意はすさまじく、だからこそ、失敗に終わったものの、ゼロからの出発にもかかわらず、多くの人々の協力を得て、出版にこぎつけられたことがわかった。
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