2006/12/05(火)16:24
1人暮らしの老人
つい先ほど、利梨と幼稚園まで一優を迎えに行って帰ってきた。
私は一優を妊娠して、仕事を辞めてからは携帯電話を持っていない。
だいたい毎日家にいるし、家に電話があるので、特になくても困らないのだ。
だが、子供が幼稚園に行ったりすると、外出先から連絡したいときとか、やっぱりないと困るなあ、なんて思ってしまうことがある。
今日もそうであった。
幼稚園に行った帰り、3人で歩いていると、道端におばあさんが倒れていた。
幼稚園に行く前にもそのおばあさんを見たのだが、そのときはゆっくり歩いていたので、私と利梨は、別に気にもとめず側を通り過ぎたのだ。
その5、6分後になるのだが、おばあさんは顔面蒼白で、呼吸もままならない状態で、私は「おばあさん、大丈夫?」と言っても、おばあさんは話すことさえ出来ない状態だった。
すぐ、救急車を呼びたいが、私は携帯電話がない!
幸いにも、その道は結構人通りも多い道で、しばらくすると、自転車に乗ったおじさんが通った。
おじさんに、「このおばあさんが倒れているんですけど、私は携帯を持ってないので・・・」と話すと、すぐに119に電話をしてくれた。
5分ほどして、救急車と警察がほぼ同時に来たのだが、その間おばあさんは私の手をぎゅっと掴んでいた。
警察は、おばあさんに「おばあさん、お家はどこ?病院に行こう!」と言うのだが、おばあさんはただ首を振るばかり・・・。
たまたま側を通った人が「そのおばあさん、すぐそこのビラ(コーポみたいなとこ)に住んでるよ」と教えてくれたのだが、その人が言うにはおばあさんは1人で暮らしているそうだ。
救急車を待っている間も、何度も吐き気がするのか、口を押さえていて、目もうつろ状態だし、なんせ呼吸が苦しそうだったのに、おばあさんはそれでも「病院には行きたくない!」と、か細い声で話した。
警察や救急車の人達が、「なんで?」と聞くと、おばあさんは ただ一言「お金がない!」と・・・
その言葉を聞いたとき、私はなんだかとてもいたたまれない気持ちになってしまった。
こんな寒い日に1人で外に出かけ、倒れてしまっても、病院に行くお金もないなんて・・・。
警察の人はおばあさんに子供達の連絡先を教えてくれ!と言っていたのだが、その後は分からない。
警察の人と救急車の人達は、私と自転車に乗ったおじさんに「ご苦労様」と声をかけて、そのおばあさんを車に乗せて行ってしまった。
一優と利梨は突然の出来事にちょっと驚いた様子だったが、家への帰り道、一優は「おばあちゃん、大丈夫かな?」と心配しているようだった。
今や韓国でも核家族化が進んでいる。
年金制度だってここ最近スタートした状態で、仕事していないお年寄り達は、息子や娘達の収入が頼りなのだ。
あのおばあさんは、息子や娘に心配かけたくないから「病院にも行かない」と言うのだろうか・・・
それとも本当に1人っきりなのだろうか・・・・
どっちにしろ、おばあさん、早く良くなりますように・・・・。