2004/11/15(月)21:52
「出資」と「売買」のつながり
前々回と前回で「株を持つこと」と「株を買うこと」の違いについて書きましたが、今日はこの2つがどのように関連しているのかについて説明します。
株式会社の設立段階では、株を持つこと(出資)によりスタートするのが普通です。一般の個人が事業を始めるのであれば、設立時のメンバーである役員や、その親族・知人が株を持つことになると思います。
その後会社の規模が大きくなると、銀行や取引先、またはベンチャーキャピタルといった投資会社が株を持ってくれるようになるかもしれません。
その場合の銀行などが株を持つための値段は、その会社の経営実態などを考慮して決められるのが通常です。
さらに会社の利益が増え、規模が拡大して「株式公開」することになると、その会社の株を不特定多数に持ってもらうために募集します。これを「公募」といいます。
公募のときの株価は、やはり会社の実態を考慮して証券会社が中心となって決められます。
このような「公募」により株主が不特定多数になり、株式公開の日を迎えます。公開日以降はその会社の株は証券会社を通して市場で取引され、前回の日記に書いた「株価」がつけられます。
そうなると市場で株を買った株主は、その会社に直接出資していないように見えます。しかし、以下の2つの点において「株を持つ(=出資する)」ことと関連しているのです。
1.市場で買った株にも、出資の目的である配当が支払われる。
2.公開後に会社が公募をする場合、公募する株の値段は市場のつけた株価をもとに決められる。
つまり、
1.株式を公開しても株を持つことの本質は失われない
2.株価は公募価格を決める場合に発行会社に直接影響する
ということになります。