2005/05/27(金)21:47
第58回日本推理作家協会賞受賞作『硝子のハンマー』
昨日、第58回日本推理作家協会賞が発表されました。
長編部門で受賞しました貴志祐介氏の『硝子のハンマー』(角川書店)は、2005年版『このミステリーがすごい』では、国内第6位。
貴志祐介氏は、1997年『黒い家』で第4回日本ホラー小説大賞の大賞を受賞。
そして、前作『青い炎』から4年半ぶりの『硝子のハンマー』で、密室を舞台に初めての本格ミステリーを発表しました。
日曜日にもかかわらず、出勤している「ベイリーフ」の役員と秘書たち。
介護ビジネスにおける『介護サル』や『介護ロボット』のリハーサル会議終了後、昼食をとった社長はおきまりの昼寝。
しかし、ビルメンテナンスの社員が窓の外から社長が倒れているのを発見した。
ここは六本木センタービル12階。エレベーターには暗証番号が必要。廊下には監視カメラ。
同じフロアには秘書がいたのに、犯人はどうやって社長室の社長を撲殺したのか?
凶器がみつからないまま、隣室で仮眠を取っていた久永専務が逮捕された。
依頼を受けた『青砥純子弁護士』は彼の無実をはらすべく、『防犯コンサルタント榎本径』に協力をあおぐことにした。
前半は『青砥純子弁護士』と『防犯コンサルタント榎本径』が考えられるだけの可能性をしらみつぶしに調査していきます。
暗証番号の発見の仕方。監視カメラを突破する方法などはくわしい知識がなくても、読んでいて納得させられました。
鍵の種類からあらゆる防犯についての記述は、昨今のピッキング事件などを考えると参考になることが多かったです。
あれでもない、これでもないと試行錯誤しながら、二人が導き出した結論。
文面に伏線がちりばめられているので、最初からよーく読んでいれば犯人を導き出すのは難しいことではないかもしれません。
ただ、犯人が殺人を犯した動機については、同情すべき点はありませんし、疑問が残ります。
前半においては、人物描写が希薄で、3人の秘書を含めた会社役員の性格、生活風景はわからない。
進行役の弁護士と防犯コンサルタントの人となりもわかりずらい。
しかし、密室における殺人方法と凶器の使い方などは、ミステリーとしての評価が高いと思います。
題名についても、読了後はその意味に感心させられました。
今後この二人の過去を含め、他の事件でまたコンビをくんで捜査する話を是非読みたいと思いました。
硝子のハンマー ( 著者: 貴志祐介 | 出版社: 角川書店 )
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