2009/02/09(月)08:27
曲の背骨
ピアノのレッスンをしている生徒さんには
なるべく早い時期からバロックに慣れてもらうよう
小学校に入ったくらいから
バロック音楽を取り入れています。
とても易しい段階から進めていくと
さほど苦も無く、多声音楽になじんでもらえますが
個人レッスンは、レッスンの進め方が人それぞれなので
移動してきた生徒さんの中には
ソナチネまで進んでいるのに、バロックはしたことがない
という人も たまにいます。
そういう生徒さんが「バロックを弾く」となりますと
それまで、メロディーといえば
右手か左手、片方だけだったのに
いきなり右手も左手も横に流れて
全く違う動きをしたり、追いかけっこをしたり
で、全体の動きをつかめず混乱する事が多いです。
そこで、時々やっているのが
『曲の背骨弾き』。
右手も左手も、それぞれ複雑に動いているように見えて
本当に大事な「大まかな流れの芯」は
そんなに難しい動きをしているわけではない。
そこだけを抜き出して弾いてみても
ちゃんとその曲だとわかる、曲の背骨。
実際は4~6音からなるフレーズも
背骨だけにすると、たった2音になったりする。
これは、すぐに流れを覚えられるし弾けます
そうして、曲の背骨だけを両手で演奏してみて
大まかな動き、流れがつかめてから
改めて「肉付け」するのです。
ふにゃふにゃの背骨に肉が付いても
曲はよろけて、本来の形がわからなくなりますが
骨さえしっかりしていれば、
倒れずに、音楽として流れていける。
そんなわけで、レッスン中の注意が
「そこの背骨、右と左がずれている」
「右の骨、消えちゃっているよ」
いささかレントゲン写真を見ているかのように
なってしまうのが、ちょっと問題かもしれない。