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てんかんとのお付き合い2

てんかん治療が開始されると、治療は短くても数年、長いと一生のお付き合いになることもあります。そのお付き合いとは、内服と発作が止まっている場合は、定期的な脳波検査と血中濃度の検査です。

脳波の検査
 医師に発作を見てもらえればそれが一番ですが、そう都合よく発作が起きるわけではないので、医師が頼りにするのは脳波検査になります。だから、脳波の検査はとても重要です。
 検査は、頭にたくさんの電極をつけて、頭の表面から脳の中を走る電気を測定します。痛いことはありません。脳波は、起きている時、寝ている時、それぞれ撮ります。また、起きている時に、電気をピカピカと点滅させて、発作が起きないかといった検査もします。これらの脳波がすべて撮れるのが理想ですが、小さな子供は、頭につけた電極を取ってしまったり、いつもと慣れない環境で、興奮したり、ぐずったりするので、睡眠薬を使って眠らせて、寝ている時の脳波だけを撮ることもあります。

 検査の時に使う睡眠薬は、トリクロシロップを使う場合が多いようですが、この薬で逆に興奮してしまう場合は、エスクレ座薬のような別の薬を使うことも可能です。また、前日から睡眠不足にしておいて、自然睡眠でチャレンジさせてもいいでしょう。初めての脳波検査では、病院の指示に従うしかないですが、慣れてきたら、わが子に睡眠薬は必要か、トリクロとの相性は悪くないか(興奮する、眠らないなど)を見極めて、先生に、薬なしでの検査、違う薬はないかといったことを、適宜相談してみてもよいでしょう。ちなみに、脳波の検査では、睡眠薬を使うよりも、自然睡眠のほうが、正確な脳波が撮れるといわれています。薬で深く眠らせてしまうと、本来はあるはずの異常な脳波が、脳の眠りによって出てこないそうです。

 脳波は、脳の表面に到達する脳の信号の異常はキャッチできますが、脳の奥のほうからの信号はキャッチできない場合があり、てんかんであるから脳波で必ず異常が出るわけではありません。ただ、脳波を正しく読めるかは、医師の技量によって異なり、わずかな変化を見るには医師もそれなりの経験が必要になります。わからなくても、わが子の脳波を見せてもらい説明をしてもらってもいいでしょう。脳波は親が見てもいいものです。

検査の頻度は、変化が著しい乳児は数ヶ月~半年に1回、発作が止まっていれば、学齢期頃には、半年~1年に1回の脳波と回数も減ってくるでしょう。


■血中濃度の測定

定期的な血液検査も必要です。てんかんの薬は、常に血液中にある一定の量が回っている必要があります。それを血中濃度という形で検査します。きちんと薬を飲んでいるのに発作があるといったとき、血中濃度を見てみることもあります。これは、子供の場合、体が成長するとともに薬の量が足りないとか、体調によって薬が体内に吸収されていないとか、そういったことを見るためです。薬はてんかんの発作にあっているけれど、量が足りないと効果がないということもあるので、体が大きくなっていく時期には、数ヶ月~半年に1回の検査が必要なようです。また、薬の調整中の場合は検査の頻度はもっと多く、入院中などは数日おきに採血ということもあるようです。

 血中濃度の検査をする際には、血液検査でわかる肝機能も一緒に見てことが多いです。これは、てんかんの薬は何年も飲み続けるので、体への影響、特に肝臓などの内臓への負担がかかるからです。


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