カフェを作る手順

カフェを実際に立ち上げるとして、
それまでに、どういう順で、なにをしなければならないか?
私たちの場合は、以下のようでした。 

1.コンセプトを決める
   カフェと一口に言っても、中身も規模も実に様々。
   お酒を出すカフェバータイプもあれば、
   スタバみたく紙コップでスタンド式のバールのようなカフェもある。
   自家焙煎のコーヒーを一杯ずつ丁寧に入れるカフェもあるだろう。
   それによって、店の立地条件、広さなどがまったく変わってくる。
   なので、いちばん先に決定しなければならないのが、これ。

   当然、この中には、どんなお客さんに来て欲しいか、も含まれる。
   若い人が多いカフェにしたかったら、
   気軽に入れる値段の安いカフェにしなければならないだろうし、
   場所も、若い人の多い土地にしないといけない。
   つまり、自家焙煎の珈琲屋で、若い客向け、というコンセプトは、
   基本的になりたたないので、考えろっつーことですね。
   たとえば、インターネットカフェにするとか、
   画廊を併設するとか、他の、魅力的な付加価値を付け加えないと。
 
   うちのコンセプトは「ドッグカフェ」だった。
   犬連れなので、交通量の多くない道に面した一階。店舗面積は広め。
   コーヒーもさることながら、夕方のお散歩ついでにふらっとたちよって、
   ビールが一杯飲みたい人も多いだろうな~、という発想から、
   アルコールも出すビアバータイプに決定。
   

2.メニューを決める   
   コンセプトが決まったら、それにそってメニューを立案。
   これは、一見、もっと後で考えればいいような気もするんだけど、
   実は、最初に決めておかなくてはならない重要事項。
   店舗の場所を決める前に、まずメニュー。
   なぜなら、出すメニューによって、厨房機器の構成が変わってくるため、
   厨房の広さや、予算が大きく左右されてしまうのだ!

   たとえば、本格的にピザを出したいと思えば、ピザ用の釜が必要になる。
   これが結構場所を取るんだ。
   横1メートル縦50センチ高さ1.5メートルは見ておいたほうが。
   それに、当然その分資金も何十万単位で上乗せされることになる。
   揚げ物が多いなら専用のフライヤー、チキンや魚をローストするならグリドル、
   焼き物蒸しものが多いならコンベクションオーブン、パスタ中心なら茹で麺機・・・と、
   とかくメニューによって左右される厨房機器は多いのだ。しかもどれも大型。高価。
   とりあえず、予算がないから、まずはなしでオープン、というのもありだけど、
   その場合でも、お客さんが増えたときのことを考えて、
   増設できるスペースは考慮に入れておいた方がいい。
   じゃないと、せっかく作ったお店を移転、なんてことにもなりかねないから。

   ちなみに、うちの場合は、エスプレッソとビールを出そうと考えたことで、
   エスプレッソマシンと、ビアサーバー、それにビール用のショーケースが必要となりました。

3.店舗を探す

   お待たせしました。ここでよーやく店舗を探しに入ります。
   いちばん最初に立てたコンセプトを元に、条件のあった店舗を探す。
   立地、広さ、人通り、家賃・・・。
   よく、家探しのコツは、譲れない条件の順番を決めて、
   その3つめまでが該当すればよしとすること、と言われるが、これは、ほんとそのとおり。
   自分の条件をすべてみたそうと思えば、札束ですべてをなぎ倒して行くしかありません。

   たとえば、コンセプトを「若い人がたくさんくるスタンド形式のカフェ」と決めたとしよう。
   すると、一杯あたりの単価が安い。たくさんのお客さんに来てもらわなければならない。
   薄利多売方式、というやつね。
   たくさんの客、となると、人通りの多いところに店がなくてはならない。
   そうすると、駅の周り、大学の周り、ファッションビルのそば、繁華街など、
   場所は自ずから限定されてくる。当然、家賃は高い。
   予算を越えての商売は出来ないから、この場合の優先順位は立地、予算になり、
   広さや雰囲気は二の次になる、というわけ。

   うちの場合は、「ドッグカフェ」というコンセプトだから、けっして駅前でなくてもいい。
   住宅街のお散歩道に面しているか、公園に近いおしゃれな商店街か、
   郊外で広い駐車場のスペースがある場所のいずれかをクリアしていればOK。
   それよりも重要なのが、犬を連れて入るカフェに理解のある大家さんを捜すことだった。
   それから1階であるということと、家賃。あとは目をつぶった。
   その結果、もともと、飲食店ではない物件に決めた。
   家賃と一階、間取りなどをクリアしたし、なにより、大家さんが理解のある人だったから。
   その結果、厨房機器や、排水関係は、自分たちで一からやるという手間が
   かかることになったけど、仕方ないですね~。

   店舗物件は、賃貸住宅と違い、なかなか雑誌やインターネットなどには載っていない。
   いちばん早いのが、目指す地域の不動産屋さんへ足を運び、自分の条件を伝えて、  
   条件に合う物件が出たら、連絡をくれるよう頼むこと。

   また、自分の足で候補地を歩き回り、貸店舗と書かれた張り紙を見つけて、
   電話してみるのも一つの方法だ。
   私たちの場合は、ゴンのいつものお散歩道に、この張り紙を見つけてしまったことから、
   カフェ計画が机上の空論でなくなってしまったのですが・・・・。

   大体、6ヶ月から1年分の敷金(保証金)、
   前家賃1ヶ月分、不動産屋に払う手数料1ヶ月分、
   計8ヶ月~14ヶ月分のお金が必要になる。
   もし、家賃20万なら、160万~280万。
   カフェオープンにかかる費用のうち、店舗取得料が大きな割合を占める訳である。
   うちみたいに、5ヶ月分というのは、大きな例外。(なので、ここに決定したのだが)
   ただ、これは基本的に相場に基づいて大家さんが決めた額なので、交渉は可能。
   値引きや、分割払いを申し出てみるのも一つの手ではある。


4.資金繰り

   店舗がうっすらと目処がついたのなら、
   かなり、実現に向けて気合いが入ってきた頃だろう。
   ここで、いちばん大事な資金繰りである。

   本当は、この項がいちばん先に来てもいいのだけれど、
   普通、以前も店を経営したことのある人でもないと、
   資金繰りと言われても、なにがいくらかかるかピンと来ないだろうし。
   けど、店のあてがついたのなら、もうぐずぐすしている訳にはいかない。
   契約をしないと、いい物件はすぐに埋まってしまうから。

   資金繰りの第一段階は、なににいくらかかるかという、
   大まかな「見積もり」を取ることである。
   カフェにかかる費用は、だいたい大まかに分けて、
   店舗取得費用、内装費用、什器備品、宣伝費、食材費用である。
   店舗取得費用は、先に挙げた敷金礼金のたぐい。これは不動産屋に聞けば、すぐわかる。
   内装費用は、業者を呼んでこうしてほしいという希望を述べ、見積もりをとる。
   什器備品は、問屋へ足を運ぶなり、カタログを取り寄せるなりする。
   宣伝費・食材費に関しては、この段階ではまだ具体的に決めなくても大丈夫。
   だいたい、「**円くらいかける」と自分なりの希望額を出しておけばいい。
   それを全部足したのが、必要な金額。

   次に、今使える自分の資産を洗い出す。
   親や知人に、借金できる額があるかどうかも考えてみる。
   (あくまで返すつもりのある借金ね。もらっちゃったりすると、贈与税やら、
   店の名義が共同になるとか、ややこしくなっちゃうから)

   で、必要な額から、自分の使える資産を引いたのが、
   どこかから調達してこなくちゃならない、足りないお金。

   お金を借りられる機関として、国民生活金融公庫、銀行、
   自分の暮らしている地域の商工会議所、市民バンクなどがある。
   このうち、カフェの経験がない人間にお金を貸してくれそうな機関は、
   国民生活金融公庫と、市民バンクである。

   具体的にどう申し込むかは、、資金繰りのページをご覧ください。


5.必要な資格を取る

   カフェをオープンするのに必要な資格は、「食品衛生責任者」のみ。
   これは、一日の講習で手にはいるので、暇を見つけて取りに行ったらよろしいかと。
   詳細は、「食品衛生責任者」のページをご覧ください。 


6.内装について詳しい打ち合わせをする 
   
   いよいよ、内装。
   見積もりを取った内装業者さんの中から、条件に合うところ、感じのいいところを選んで、
   もう少し突っ込んで、詳しい打ち合わせをする。
   この際、気をつけるべき点は、手を入れる箇所を箇条書きにして、コピーを取り、
   お互い持っておく、ということ。
   口で説明しただけだと、細かいところが多いので、
   確実に業者さんが取りこぼす点がでてきちゃう。
   うちは、水道管の数という重要点で行き違いがあり、大変でした(苦笑)

   他には、大まかでいいので手書きの図面(どこになにを置くかの順番がわかる)
   店内の写真(壁の色や照明などを決めるのに便利)
   色見本帳(文房具屋に売ってます。ペンキの色なんかを指定するのにいい)
   などがあると、より話がスムーズかと。

   このとき、タイルや化粧版の見本や、トイレの陶器の色見本、建具の写真などを見せてもらって、
   自分の好きなものを選択したりもする。
   この打ち合わせで、業者さんは資材を発注するわけだから、
   なるべく具体的なイメージを持って望んだ方がいい。
   もちろん、自分のイメージをかなえるためには、特注のものになる場合もある。
   そういったことも含め、代金の交渉もここでしっかりとしておく。
   業者さんにもよるが、まずは手付け→工事完了後、全額支払い、という場合が多い。

7.店舗契約・内装工事    
   
8.保健所の申請

9.什器・備品の調達 

10.宣伝・サービス  


© Rakuten Group, Inc.