|
カテゴリ:カテゴリ未分類
こんばんわ。
本日の質問は 鶏さんの「強制換羽」というのは何ですか? って質問をいただいたのでそれに簡単にお答えしたいと思います。 そもそも、換羽というのが何か知らない方が多いと思いますのでそのことについて簡単に説明しますね。 鶏さんは鳥類の仲間です。ということは当り前ですが鶏さんにも羽がありますよね。この羽っていうのは一度生えたら一生もんってことではございません。時期が来ると生え変わるようになっているんです。 そして、強制換羽とは何って件ですが、簡単にいうと鶏さんに強引に羽を生え変わらせることをいいます。 鳥さんというのはもともと換羽といって羽が生え変わる時期があるのは先ほど説明しましたね。そのときはあまり卵を産みません。 これは養鶏場にとっては死活問題なのでなるべく換羽に入らないように飼育しています。 それでも1年ちょっともすれば必ず換羽の時期がやってきます。 そこで、この強制換羽の出番です。 つまり、個体差に関係なく強制的に全羽が換羽をするように仕向けるんですね。単純に水だけやって餌は一切与えないんですけど。 こうすることにより、 換羽後の鶏さんが産む卵は換羽の直前のものと比較すると殻も丈夫になるし、形もととのってきますので売り物になる卵の比率が上がるんです。 要は鶏さんの経済寿命が4ヶ月くらい長くなるんですね。 だから、経営が苦しいところは大抵強制換羽を行う傾向にあります。 だってほとんどただで卵の製品化率が上昇するんですよ。 そりゃ~やるでしょう? 鶏さんが卵を産むまで飼育するだけで大部分の皆さんの年収分くらいかるくかかるんですよ! 単純計算で卵を産む鶏を鶏やさんから1羽買うとだいたい1,000円するとしましょう。(正確にはいえません。でも近い数値だよ) これが1回に何千羽も必要ですからね、規模が大きいところほど出費が痛いでしょう? 1000羽購入すると100万ですよ。我が家だと1回につき4000羽ですから簡単に400万です。 (実際、我が家は自家育雛なのでこんなにはかかりませんけどね) 大手だと2万羽とか3万羽とかって単位で鶏さんを購入しますから単純計算すると恐ろしい~(汗) まぁ、単位が大きくなると購入単価も大幅値引きとなるでしょうから本当はいくらで買えるかは知りませんけど・・・。 だからね、一つのロットが4ヶ月寿命が延びると、一年に購入する鶏さんの総数が少なくてすむ計算になります。 購入数が少ないほどお金の節約になりますから規模が大きいほどメリットが出てきますよね。 だから、ついついこの強制換羽ってのはしちゃうもんなんですわ。 でもね、いいことばかりではございません。やはり、長所があればそれ以上に短所があるのが世の中の常でございます。 さて、短所の説明に行きましょう。 強制換羽っていうのは強制的に飼料をやらずに断食させて行うので換羽中はかなり免疫力が下がります。 このときにウイルスにやられやすいんですわ。一番恐いのがサルモネラですね。強制換羽中はこういったウイルスに犯されやすいんですよね。 それにどうしても強制換羽をすると卵質が低下しますから鮮度持ちもかな~り悪いですし・・・。 ということで経済的メリットよりも品質でのリスクの方があまりにも大きいので最近は行なうところが少なくなってきています。 ちなみに我が家でははるか昔から行なっておりません。明らかに卵質が低下するので。 それと、この話はオフレコですが(言いふらさないでね) 実際の話、この強制換羽中も卵はいくらかですが産むんですよ。この卵ってもともと餌食べさせていないので原価は水だけだしね、見た目は卵ですからコストは限りなく低いでしょう? ってことはスーパーの売り出し用にはもってこいだと思いません? いくら価格をたたかれても原価が安いですから問題無しってことになりませんか? だからね、この強制換羽中に産まれた卵を集めておいてタイミングよく売り出しに出すなんてこともあるんじゃないかなぁ? 最近は色々と卵の鮮度の問題がとりざたされているのでさすがに少ないでしょうけどね。 でも、やってないとは言い切れません。何せ昨年は戦後最低の卵相場でしたし、半年前の卵が平然と販売されていたくらいですからね。後は皆さんのご想像にお任せいたしますが・・・。 ということで、またまたやってしまった。(汗) 強制換羽のことだけ話をしようと思ったら思わず業界の暴露話?までついつい・・・ とにかく、強制換羽のこと憶えておいて下さいませ。こだわりの卵を作るところはどこでもこの強制換羽は行なわないはずですから。 またまた本日も長くなりましたが皆さんのご参考になれば嬉しく思います。 追伸 いつか、どこからかクレームがくるかなぁ? 痛いとこばっかりつきすぎなのでちょっと恐い(汗) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|