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らっぱ親父のひとり言

らっぱ親父のひとり言

●力でしょ

ここには力について書く予定です。

初めて私のところへ来た生徒に、トランペットを練習する上で大事なことは『息を吸うこと』と『力を抜くこと』だと教えます。

特に力については口を酸っぱくして何度も繰り返し教え込みます。
みんなが今入れてる力を100とすると、50くらいにできれば相当上達するよ。
20くらいにできればプロになれるよ。10にできるなら世界に通用するよ。
その10ができるプロフェショナルも毎日9にしよう8にしようと練習しているんだよ。(あくまでも指導上のテクニックです)これが口癖のように繰り返されます。

他の項目と重なっているので、何を今さらと言う方も多いとは思いますが、私のレッスン時間の大半は『力を抜く』に費やされます。
より少ない力で吹けるようにするにはどういう言葉で指導したらよいかを考えることが、より良い指導に繋がると信じています。



2005/02/16の日記をここに残しておきます。

私の生徒の中の最高齢者は74歳。レッスンを始めたのは4年前。
彼に初めて会ったときに「歯が無いんですけどトランペットが吹けるようになりますかね?」と質問されて、私は分からないとしか言いようがなかった。歯を無くして吹けなくなった人は何人か知っていたが、最初から歯の無い人がトランペットに挑戦した話を聞いたことが無かったからだ。
レッスンに通って来るようになったが、音が出るようになるのに半年、音階でドレミファソラまでが1年、5年目を迎えた今年1月に初めて僕とデュエット(本当に簡単な曲)ができるようになって、お互い感激しきりだった。
彼の口には(見える部分)上下各1本の歯しか無い、ここまで来るのには苦労の連続だったと思う。
やっと格好がついたとき彼が私に呟いた
「先生の言う通り問題は力ですな、今までは力がよう抜けんかった」

今は彼を尊敬している。


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