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らっぱ親父のひとり言

らっぱ親父のひとり言

●順番

殆どの生徒は曲を練習する場合、音程A(※チューナーで測る細かい音程ではなくドやレ・ミといった音列にそった音の高さ)と音符の長さを真っ先にクリアーしようと考えるようです。なるべく早く曲が吹けるように(なった気がするために)は良い方法ですが、そのために大切なことがいくつも抜け落ちた練習になってしまいやすいと感じています。

ここで考える「順番」とは、曲を練習するにあたって大事にするポイントの優先順位のことで、どんなことから解決して行くべきかを書いて行くことにします。

まず練習のときに頭に置く順番を上げて行くと、
1)力を抜く・息を吸う
2)全ての音を確実に響かせる
3)ブレスの位置を決める
4)音の強弱を決める
5)音程B(※細かい)を考える
となります。

ここで最初に注目していただきたいのが、子供たちの殆どが最優先課題としている音程Aや音の長さといったことが順番に入っていないことです。
なぜなら、音程Aや長さは間違えれば(当然本人に・少なくとも指導者には)すぐに分かることだからです。
この部分で良く説明に使う例えは、「何かの作業をして手が汚れれば洗うよね、でも背中に馬鹿と書かれた紙を貼り付けられたのを気付かなければ、そのままになってしまうね」と指導しています。間違えたらすぐに分かるような事を頭の真ん中に置いて練習しないということが大切だと思うからです。

1)別項を参照していただければ分かると思いますが、一番大切でしかも楽譜を目の前にすると忘れてしまう事柄だと考えています。

2)これは最初から考えない(又は重きをおかない)生徒が多く、最も判断しづらいポイントだと思います。分かりづらい事こそ重要視してください。

3)私は曲を練習するということはブレスを練習することだと思っています。曲ができるようになるということは、上達するのではなく、慣れるのではないかと考えています。何に慣れるのかと言えば「息の配分」ではないでしょうか。難しい曲を仕上げた後にやさしい曲の楽譜を渡されてもすぐにできる中高生は少ないものです。それは曲ができるようになるということが、技術的な上達ではなく慣れによって達成されているという証明だと思います。

4)上記のポイントのチェックが終わって初めて強弱へと目を移してください。最初から強弱を考えると、トランペットの一番重要な役割であるバンド全体の響きを作るという仕事がおろそかになってしまいます。一番響きを作りやすい強さ(mfくらい?)でしっかり練習をしてから強弱をつけるべきだと思いますが、ここで注意することは、響きがなくなるほど弱い音や、音が潰れるほどの(特に指示が無い場合)強い音を使わないということです。

5)そして最後の最後に音程Bです。しかしそれほど神経質になる必要はありません。充分な響きを持つ音は多少ずれていても合って聞こえるものです。それに比べて響きの無い音は少しのずれでも違和感が大きくなります。音程にピリピリするより確実に響く音を追求する方が楽に音を合わせられるのではないでしょうか?音程のことを考えすぎると響きを損ないやすいのでご注意を。

まだまだ考えなければならないこともあるかと思いますが、重要だと思うベスト5というより、忘れやすいものと後回しにしなければいけないものに順番をつけました。



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