2018年の弾き初めは、コントラバスアンサンブルからになりました。
成人の日3連休の中日に開催された、コントラバスアンサンブル東海支部・親睦演奏会に
びわバス団として参加してきました。
この親睦演奏会に参加したのはこれで2回目。1回目は
第1回、旗揚げ公演への個人参加でした。
それから本部(東京での親睦演奏会)も東海支部も毎年演奏会を重ね、規模も拡大してくる中、4年後の第5回の東海支部演奏会に、ようやく再び参加することが出来ました。
その間、東海支部の皆さんは
びわバス団のライブがある度に滋賀まで駆けつけてくださり、演奏会場を盛り上げてくださっていて、ただただ恐縮するばかりでした。今回、年始すぐでもあり参加メンバーがそろわず一時は参加が危ぶまれましたが、
リーダーY氏の熱烈勧誘で若者1名がびわバス団に身を投じてくださり、団として出演の目処が付きました。
<<コントラバスアンサンブル東海支部・親睦演奏会2018>>
日時:2018年1月7日(日)15:30開演予定
場所:NTNシティホール(桑名市民会館)小ホール
名古屋駅よりJR関西本線、もしくは近鉄名古屋線で約30分→桑名駅より徒歩約10分
【イベント内容】
コントラバスアンサンブル(2本以上)の演奏会(ソロ(ピアノ伴奏含む)不可・他の楽器とのアンサンブルは簡易な楽器のみ可・演奏の主体はコントラバスであること)
【参加資格】
コントラバスを愛する奏者の方 プロ・アマ不問
メンバーが決定してから当日までの時間が無いため短時間で仕上がる曲を、ということで、私が先日自オケで演奏したピアソラのタンゴを中心に選曲することとなり、その結果5曲のうち、1,3,5曲を演奏することとなりました。ちなみに親睦演奏会では「団体の部」と「個人参加の部」があり、個人参加については予め用意された曲(楽譜も事前配布)の中から弾きたい曲・パートを何個か選んでエントリー、当日1回のリハーサルで本番ステージを行う、と言うものです。(この辺が親睦演奏会の所以)
私の演奏曲目は以下のとおりです。
すべて4弦、フレンチ弓による演奏。エクステンダー未使用。
■団体の部 コントラバス4重奏、1st担当
・ピアソラ(ゴットスタイン編):5つのタンゴから
No.1(J'attends), No.3(Saint Louis en L'Ile) (2回目)
No.5(Adios Nonino)(初)
■個人の部
・パッヘルベル:カノン (David Heyes編)コントラバス4重奏、2nd担当(2回目)
・三木たかし:津軽海峡冬景色 (木村将之編)コントラバス4重奏、3rd担当(初)
・モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス 全員合奏(4パート)、1st担当
ホールは、親睦演奏会でも始めて使用するという、桑名の市民会館(現在はNTNシティホールと呼ばれています)小ホール。客席数は約300名と小振りですが、ステージは奥行きがあり、全員合奏(約30名)もゆったり乗ることができました。
響きもすばらしく、合奏なら響きすぎかも知れないですが、小編成の音でも無理なく客席に届くため、無理な音を出さないですみ細かいニュアンスが表現できます。
さらに隣接の駐車場は入場処理をしたら時間制限なく1日無料、というコントラバスにとっては夢のような環境。よくこんな条件が整った場所が空いていたものです。
主催アンサンブル団体の「だめカンタービレ」さんのご苦労がしのばれます。
参加したコントラバスメンバーは約30名。名古屋圏を中心として、三重、北陸、浜松あたりに加え、神奈川県や兵庫県からもメンバーが集い、盛況での演奏会となりました。元々メンバーの親睦が目的で、外部への宣伝活動はあまりやってない(まぁ、やってもあまりにマニアックなので、効果は薄いように思いますが・・)ですが、十数名のお客様もお見えになられていたようです。
下の写真は、全員合奏が終わったあと楽器をそのままステージに置いた状態での写真です。壮観。
名古屋フィルの井上先生門下生が多く、皆さんしっかりと基礎が身についた方ばかりで、演奏もレベルが高い。特に若い方は音色も綺麗で、指も回り、かつ正確。私らとは隔世の感があります。これもこのような親睦演奏会を重ねて実力をつけてきた成果ではないか、と思ったりもします。そしてプロの方も数名参加いただいてます。一門総帥の井上先生筆頭に、お正月の四国リサイタルを終え千葉へ戻る途中の寺田先生、東京からボッテシーニ・テストーレの貴重な楽器を持参して登場の徳高先生はじめ、錚々たる顔ぶれでした。
演奏曲目は、
・アルムの4重奏曲
・ボッテシーニのグランデュオ(2番3楽章)
・同上(1番1楽章)
・犬小屋のシュトラウス
・ロンベルグのソナタ(1楽章)・・11月に私も高松で演奏した曲です。
・ボッテシーニのグランデュオ(2番1楽章)
・・井上先生、徳高先生(ボッテシーニが弾いた楽器でのボッテシーニ演奏!!)
というものでした。
びわバス団は、先述のリーダーY氏、タンゴの要、リズムセクションのK氏、今回がびわバス団初登場となる、大学オケの後輩S氏、そして私の4名です。こちらも若手の例に漏れず、実力派。これで私も1stの重圧から解放されるかも(笑)。
個人エントリーで用意された曲は、こんな感じです。かっこ内はパート数
・パッヘルベルのカノン(4)
・悲しきワルツ(4)
・津軽海峡冬景色(4)
・ジブリメドレー(4)
・The Last Poppy(日本初演:David Heyes氏の曲)(4)
・The Pink Elephant(4)
・アンダンテ・フェスティーボ(7)
・摩訶不思議アドベンチャー(5)
・序奏とライオンの行進(6)
・ブルックナーのアベ・マリア(8)
・ホルベルク組曲から第2曲(8)
・クレンゲルの讃歌(12)
・アヴェ・ヴェルム・コルプス(4パート複数による全員演奏)
団体部門、個人部門共に80分を要するという大演奏会となりました。
自分の演奏曲はこんな感じでした。団体部門のものは、あとでびわバス団からYouTubeにアップされることと思います。
・ピアソラ(ゴットスタイン編):5つのタンゴから、1,3,5曲目
1,3曲目は先日、八幡市民オケバスパートでのカルテットで1stパートを演奏したので、自分のパートとしては大体感触は覚えていました。もちろん他のメンバーは入れ替わりということで、リハーサルからガツンガツンと攻めてくるリズムセクションに圧倒されました。練習時にはかなり焦って、ガシガシ弾いていたのですが、当日は幸いホールがよく響くこともあり、ホールの響きを信じて、楽器を鳴らすにしても不用意にがなり立てないことだけ気にしていました。
ただ如何せん悲しいかな、普段ハイポジション練習していないのが祟って、リハーサル時点で既に左手人差し指が疲れてきて、ハイポジションが押さえきれなくなってきていました。(オーケストラの音を弾く時と、使う筋肉が違うようです)
そのためリハーサル後は極力ハイポジションの1指を温存していたのですが、やはり5曲目で疲れが来てしまい、一番高い音(指板切れ目に近いB♭)は届かず・・でした。
全般的に音程が甘いのは、やはり普段の(多分日々の)基礎練習の問題と思います。この辺はプロの方と圧倒的に違うところですが、ここを克服するところが大きな課題です。
それ以外の難所のフラジオハイポションは本番ほぼ全部当たった(リハはほぼ全部外れ)ので、まぁ、ヨロヨロですが何とかサマにはなったのかも知れません。うまくいけたとしたら、ひとえにリズムの伸び縮みを3人で自由自在に作り上げてくれたメンバーのおかげです。
・パッヘルベル:カノン
パートは一応2ndをもらいましたが・・カノンだからどれも変わりません(笑)最後の方どこまで弾くかが違うくらい。この曲では1stパートが最後までオープンで、そこに徳高先生が参加くださることになりました。もちろんあのテストーレで。なんとテストーレのすぐ隣で並んで弾く、というビックリするような事態となりました。当日渡された楽譜でも、さすがプロ。音楽全体の作りを設計されて、それを元に合奏の動きを確認しながらテンポの出し入れをされていました。練習は20分1回きりでしたが、最後まで3声とも迷子にならず到着できました。それにしても楽譜がバス用になって、却って見にくいとは(笑)。昔学生時代にやったとき(これはほぼ初見演奏)は、ヴァイオリンの譜面を見ながらそのままオクターブ下げて弾いたのですが、その方がト音とへ音を行ったり来たりする譜面よりよっぽど見やすかったです。
・津軽海峡冬景色
言わずと知れた演歌の名曲。アレンジはBlackBassQuintetによるもので、どのパートも音大卒業生を前提としたなかなか難しい譜面です。4thがいわゆるエレキベースによる「バスライン」に相当しますが、ここにはカデンツ(アドリブ)もあります。3rdは前奏、間奏、後奏の「Saxパート」に相当。元Saxの私としては、このパートをいただくしかありません。
1st/2ndが若手の上手な二人ということで、事前の譜読みも含めバッチリの出来上がり。私はSaxらしさを出そうと、普段はやらないビブラートのやり方(普通は指板を押さえているポイントは動かさず、指の位置や圧力を手首を使ってゆらすのですが、ここでは指板上で押さえている位置そのものを動かして、Saxのやらしい気味ビブラートを再現しようとしました)を使ってみました。
ただそこに気負ってしまって、前後が甘くなったりしたのは反省材料です(要は練習不足)。それと曲後半で音楽の流れに気を取られてしまい、カウントを一瞬失って締まったのが今日最大の懺悔ポイントです。4人のアンサンブルですと、誰かが動きを壊すと、部品のピースが欠けてあとバタバタッと一気に危機が訪れます。今回は曲終盤ということもあり、少し先でのフェルマータで事なきを得ましたが、最長老(・・・)こんなことやってしまってはいかんです。大反省。
・アヴェ・ヴェルム・コルプス
4重奏の定番で、びわバス団でも同じニ長調に編曲したもの(別アレンジ)を持っていて時々演奏していました。なので、自分の演奏自体はあまり心配はしていなかったのですが、なにせコントラバス30数本が一斉に鳴るので、どんなことになるか、と言う方が心配でした。
幸い1stパートも私を含め人がそこそこ集まり、また音がしっかり通る人が多かった(上手な若手メンバーやプロの方による万全のサポート)ので、全員合奏の割にはしっかり音も聞こえ、何かいい出来だったように思います。録音の出来上がりが少し楽しみだったりします。
というわけで、4年ぶりの親睦演奏会、以前にも増して色々な刺激を受けたわくわくの1日でした。
徳高先生とはこの日が初対面だったのですが、とても気さくな先生で、フレンチ弓メンバーでひとしきり盛り上がった(当日は先生を含め、フレンチ弓使いが4人)あと、なんとボッテシーニ・テストーレ(コントラバスの伝説の名手・作曲家であるボッテシーニが愛用したとされる、名器テストーレ)を弾かせていただく事となりました。ちょこっとだけボッテシーニの2番の協奏曲冒頭を(小さい音で)弾かせてもらいましたが、あのボッテシーニもこの楽器でこの曲を何度も弾いたんだろうな、と思うと大感激でした。おかげでこの日は帰宅して寝ても(寝たのは1時近く)、5時過ぎには目覚めてしまいました(笑)。先生の許可をいただいて、ボッテシーニ・テストーレとのツーショット写真を撮らせてもらったので、それを掲載しておきます。プロフィール写真はしばらくこれかな。
過去の演奏曲目(メインのロンベルグだけ)通算303ステージ目となりました。
■ピアソラ(ゴットスタイン編):5つのタンゴから
・八幡市民オーケストラ・コントラバスパート(2017/11) (1,3曲目のみ)
■パッヘルベル:カノン
・京都大学交響楽団ベースパート(1990(?)/3)(ヴァイオリン用譜面)
■三木たかし:津軽海峡冬景色 (木村将之編)
(初)
■モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
(多数)
演奏会場履歴です。初です。
当日は桑名市の成人式が大ホールで行われていたとのことです。
・NTNシティホール(桑名市民会館)小ホール (初)