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カテゴリ:コントラバス雑感
コントラバスアンサンブルで世界ツアーが出来ることを証明した、恒常的なチームとしてはおそらく世界最初の四重奏団、Bass Gang。(もっと大人数のものとしては、フランスのオルケスタ・ド・コントラバスがほぼ同時期にメジャーデビューしましたが、最近活動の噂を聞きません。) 地ひびきを経てびわバス団まで、20年弱のコントラバスアンサンブル演奏は、まさに彼らを目標において、のものだったかもしれません。初めて生のステージに接することが出来て、感無量でした。
日時 2018年10月11日(木) 場所 出演 The Bass Gang (メンバー) アントニオ・シャンカレーポレ アンドレア・ピーギ アルベルト・ボチーニ アメリーゴ・ベルナルディ 曲目 久石譲/人生のメリーゴーランド 〜ハウルの動く城〜 バッハ&プロコル・ハルム/バッハの…青い影 ソレール/ソフィア デンツァ/フニクリ・フニクラ モドゥーニョ/ヴォラーレ 「ムーンライト・フラワー」「ごらん, なんて月だ」「月影のナポリ」 星野 源/恋 山田耕筰/赤とんぼ ベートーヴェン/ロックンロール No.9 ほか 入場料:¥4,000 学生(25歳以下)¥2,000 問い合わせ:京都コンサートホール(075-711-3231) 会場は京都コンサートホールの階上ににある、アンサンブルホールムラタ(小ホール) 。室内楽や小編成オーケストラ向きの小ぶりなホールです。前回このホールを訪れたのは、アンサンブル都(弦楽合奏団)によるコントラバス協奏曲(ボッテシーニ)の演奏(独奏:呉竹真琴氏)を聴きに来て以来だと思います。やはりコントラバスネタ(笑)。このホールの収容人員は514名。NHKのカメラが入っていた(どうやら後日BSで放送されるようです)ため若干座れない席もあり、客席はほぼ埋まった状態(8割くらい?)でした。指定席でもあり、面白かったのは最前列にお客さんが多かったことでしょうか。(普通は音が頭の上を飛び越えるので、最前列は好まれないのですが、今回は演奏を視覚的に確認しようとしている、コントラバス奏者と思われる人たちで埋まっていました。) The Bass Gangは、前身の"un'Ottava sotto sopra"の時代からはメンバーチェンジしましたが、今の名前になって以降は固定。役割もほぼ決まっています。 上手から、 アントニオ(3rd) 動きの多い旋律がほとんど。実は一番大変そうだけど凄い正確! アンドレア(4th) リズム隊かつ、楽曲アレンジャー。彼だけ弦が違います。(後述) アルベルト(2nd) 洋梨型のオールド楽器でピアノ椅子に座る、特徴的なスタイル。 アメリーゴ(1st) Vocal兼任トップ弾き(なので、アルベルトがトップ弾きの曲も多い) メンバーはイタリア系なので、弓もフレンチ弓で統一。持ち方は意外やイタリア式の毛箱で持つタイプではなく、竿で持つフランス式。弦は最低音でPizz.を多用するアンドレアだけがスピロコアのソロ弦(基本、全員ソロチューニングの団体です)、他の3人はピラストロのオリジナルフラットクローム(ソロ弦)と思われます(当日最前列メンバーの1人、びわバス団Kさんの調査に、滝が一部裏取りしました)。これも意外に保守的な選択。イタリア人なので基本イタリア語ですがみんな英語も比較的上手で、終演後の意思疎通も特に問題ありませんでした(慌ただしくて、ほとんどしゃべれませんでしたが)。 この手の演奏会となると、客席は業界関係者だらけ(笑) 仲間のびわバス団メンバーが(遠方のメンバー除き)ほぼ勢揃いの勢いなのをはじめとして、そこかしこに各オケでお世話になっているベースメンバーが見えて、1階席ほぼ中心に座っていたわたしはキョロキョロしっぱなしでした。逆に周りからはわたしが座っていたの、よく見えただろうな(笑)。 バス仲間以外にも、奈良女のトラでご一緒させてもらったT先生や、SNSでお世話になりながらまだお目にかかれていなかったO先生などプロの先生方、意外なところでは協奏曲等のソロで何度かお世話になったヴァイオリニストのIさんもお見えになってました。どうやらBass Gangメンバーの1人とイタリアでの演奏会で共演し知り合いだったようで、今日はステージの後打ち上げ一緒に・・ということでした。陽気で激しい(笑)イタリア人相手に大変(笑)。 曲目はCD等でも聴ける定番レパートリーのものと、最近のアメリーゴの歌入りレパートリー、それから日本ツアー向けに加えたもの(赤とんぼ等の唱歌、上を向いて歩こう、ジブリの曲、そして最近のものでは星野源の「恋」など)というもの。 定番のものは、本当に自由自在。曲が身体に入っていると、こんなに自由にアンサンブルが出来るんだなぁ、と感嘆しきりでした。才能のない私だと、ひたすら指や楽譜を覚えないといけない(そのための練習も必要)ですが、きっと音で覚えるだけで、後は自然に指が行くんだろうな、と思います。 音は思ったよりも小さめ(でも500人のホールに十分に響くのですが)で、無理せず鳴らしている感じ。これはCDとかでオンマイク気味に録音された状態からは判らない発見でした。コントロールが効く範囲の音量で、自由に音色を変えていくのが印象的でした。 派手な演出含んだ演奏と歌は上弾きのアメリーゴとアルベルト、リズムはアンドレア、そして実際の音楽の中心となる旋律はアントニオが担当することがほとんどでした。このアントニオが地味に凄い。外さない。正確。シフトの安定感も含め脱帽です。かれの存在が、3rdまで高音域の演奏として、こもりがちなコントラバスの開離位置和音を一気に高音の密集位置に置くようにしたBass Gangの革命的なアレンジにつながったのだと思います。 曲前半では遅れてきたお客様が座る度に、そこまでの曲をダイジェストして、早送り演奏したり、歌と合わせて客席へ話しかける(MC担当はほぼアメリーゴ)など演出も練れたもので、笑いがとれる素晴らしいステージでした。 多分自分たちのステージも、誰か全体を見て味付けする演出家のような担当がいるのかもしれない、と思いました。次回のびわバス団では、そっちに回ろうかな。 メインの「ラテンメドレー」は圧巻。コントラバスアンサンブルにはラテンが似合う(リズムをはっきり刻めるし、旋律も味が濃いので)ので、その長所を存分に発揮した聴き応えのある演奏でした。20年前なら、間違いなくCD買って耳コピしてレパートリー化するところです。以前はベサメ・ムーチョとか、そのパターンで楽譜にしましたが、今その気力出るかなぁ。。 終演後にはロビーでメンバー4人並んでサイン会、と至れり尽くせり。 私は「Rock'n Roll No.9」の楽譜を持参して行き、各パートの表紙にそれぞれのメンバーのサインをしっかり入れてもらってきました。これに気をよくしてしまったので、12月の自オケの室内楽演奏会では、この曲をサイン入り楽譜ですることにしました。(笑) びわバス団メンバーはサイン会の最後まで残って、ちゃっかりメンバーごと写真撮らしてもらいました。ほんと明るくて気さくなメンバーで、もっとしゃべりたかったです。 この演奏会には、同じくベース弾いてる嫁と一緒に聴きに行きました。 嫁と一緒にコンサート、というのもこれまたいつ以来か・・というところです。 これも子供が大きくなってきたから、ということではありますが、さすがに夜中まで放置するわけにも行かず、びわバス団メンバーと帰りに軽く、やギャングの皆さんの打ち上げに乱入、という訳にはいかず、おとなしく帰宅いたしました。 次回の日本ツアーがあるのかどうかはともかく、イタリアでは結構活発にステージこなしているようです。できればイタリアの飲み屋あたりでもう一度聴きたいものです。 過去の鑑賞経歴です。 ■The Bass Gang ・(初) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.11.03 23:43:46
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