八幡市民オーケストラ 第52回定期演奏会(出演:2018/10/21)
所属する八幡市民オーケストラの定期演奏会、昨年は台風接近の嵐の中での「英雄の生涯」演奏でしたが、今年は打って変わって快適な好天の下での「オケコン」となりました。いずれ劣らぬ難曲かつ直前にメンバー体調不良でのメンバー減での波乱がありましたが、オケコンではとうとう定期でのトップデビューしてしまいました。《八幡市民オーケストラ 第52回定期演奏会》日時2018年10月21日(日)場所八幡市文化センター大ホール指揮三河正典曲目ベートーベン 交響曲第8番 ヘ長調 作品93ドヴォルザーク アメリカ組曲 作品98b B.190バルトーク 管弦楽のための協奏曲 Sz.116演奏曲目別の私の演奏位置と使用弓、演奏回数は以下のとおりです。・ベートーベン:交響曲第8番 (4回目)・ドヴォルザーク:アメリカ組曲 (2回目) 4Pult中 3Pult In 独弓、5弦(団楽器)・バルトーク:管弦楽のための協奏曲(2回目) 4Pult中 1Pult Out 仏弓、5弦(団楽器)(アンコール)・バルトーク:ルーマニア民族舞曲から5,6,7曲(2回目) 4Pult中 1Pult Out 仏弓、5弦(団楽器)演奏会場は八幡市民オケの本拠地、八幡市文化センター大ホール。楽屋やロビーなどは昭和の市民会館の風情が漂いますが、音響の素晴らしさとバックヤードの広さ、楽器運搬の動線の良さは文句のつけようが無く、スタッフの皆様も長く勤めてらっしゃる方が多く、それこそ顔見知り状態でセッティングを進めていただけます。しかも本番当日だけ無く前日夜のゲネプロ、さらにその前に1度ホールでひな壇を組んで練習できることから、セッティングに関する調整は遅くとも前日には終了し、当日は演奏のみに集中することが出来ます。これは演奏する側にとっては本当にありがたいことです。昨年秋(1年前)の第50回記念演奏会は、季節の最後になる台風が直撃し、来襲寸前の大雨・暴風の中での公演となりました。今年は一転秋晴れ、快晴の心地良い天気。気候が快適すぎると逆にインドアのオーケストラ鑑賞よりアウトドアにお客様が流れる(特に無料公演)らしいのですが、今回はその「好天」が当たったようです。さらにこの日はアマチュアオケの演奏会がずいぶん重なっていて、私が知っているだけでも関西で8個所はかぶっていたように思います。そうなると足の便が悪い(最寄りの普通列車停車駅からバス、または徒歩20分近く)このホールは不利になります。さらに演奏曲がかなりマニアックなメイン曲だったりマイナーな中曲だったこともあり、お越しいただいたお客様は540名あまりということでした。その分ホールはよく響き、お客様のマナーも素晴らしかったのですが(苦笑)、エキストラ先でホール一杯のお客様を見ることが多いと、やはり寂しいですね。次回は(やや)有名曲も入るので、少し持ち直してほしいものです。ここ数年の八幡市民オケはVnが大体20人台なのですが今回は若干人数が少なく、ほぼ12型というところでした(上から、12-12-10-8-7)。ベートーヴェンはエキストラの方の出演を絞ってさらに人数調整し、10型という感じです。ベートーヴェンだと弦楽器もほぼメンバーのみの編成。エキストラはVn/Va特殊楽器を中心に、10名前後というところでしょうか。弦楽器の並びは、今回はすべて近代欧州スタイル(舞台下手から1st-2nd-Vc-Va,CbはVcの後)でした。金管・打楽器はTimpが中央奥、Timpの上手隣にTrb/Tuba,下手隣に打楽器群、その前段にHn下手、Trp上手、という配置。これも通常の八幡オケの配置です。少なめの高弦に対し、メンバー充実のコントラバスは7名(エキストラなし)。ベートーヴェンも馬力の要る8番と言うことで、フルに7名での出演を予定していました。並びは前列3名、後列4名(雛壇上)とし、うち5弦4本(団楽器2+個人楽器2)という構成です。5弦が明示的に必要なのはベートーヴェンだけですが、ドヴォルザークもバルトークも明らかに音域不足で音をオクターブ上げているところがあり、それらについて最低限の音下げを行いました。特にバルトークの冒頭(3回目のシーケンス)で1拍目のCisを加えたのは演奏上もかなり響きが変わったのではないかと思います。メンバー7名はこのところ安定しています。メンバー自体は変わりませんが、今回はこれまで不動の首席奏者だったHa氏がメイン曲のバルトークの団内トレーナに抜擢されたこともあり、バルトークの練習のほとんどをHa氏抜きで対応することになりました。そのため、定期演奏会ではMi氏(私を八幡に誘ってくれた恩人)以来約10年振りに新トップとして私がメインだけ首席を分担することになりました。前半2曲はHa氏トップですが、仕事の都合で遅れがちなHa氏の代行として、最長老Hi氏にお手伝いをお願いしました。こうして進んだ今期でしたが、前日練習になって2名が突然体調不良でゲネプロキャンセルという事態になりました。最高齢のHi氏と最若年のNa氏の二人。さすがに5人でオケコンやドヴォルザークは厳しく、もう明日は当日、ということでプロに助けてもらわないといけないか・・と覚悟を決めかけましたが、若者の回復力を信じてプロへのエキストラは探さず、で進めることになりました。翌当日、Hi氏は残念ながら回復に時間が掛かり演奏会には間に合いませんでしたが、若者の方は何とか楽器を持って座っていられるまでにはなったので、プログラムの名簿からは1名減の6名での演奏となりました。まぁ、実質5名と言ってもいいですが・・難曲のオケコンを、エキストラの力を借りずに団員だけで何とか出来たのは、大きな成果だと思います。まぁ、止めず、止まらず、で本当によかった。指揮者はこのところ2年おきにご指導をお願いしている。三河正典先生。私は前回客演時の「幻想交響曲」は休団中で不参加だったので、4年ぶりにお目に掛かることとなりました。口髭蓄えられてて、以前とのイメージの違いにびっくりしましたが、指導内容はこれまでの熱い指示がさらにパワーアップされていて、充実したリハーサルを重ねることが出来ました。たださすがの先生も、今回の盛りだくさんな曲目はさすがに手に余ったようで、ドヴォルザークやオケコンではぎりぎりまで時間を使っても、まだまだやりたいことが残っているような感じでした。。。・ベートーヴェン交響曲第8番学生時代OB会の初見演奏などで弾いた遠い過去の記憶断片もありますが、ステージに乗ったのは、浜松響の名手が中心メンバーだった「いさだ室内管」に呼んでいただいて、びびりながら弾いたのがスタート。その後も墨染交響楽団や、この春の紫苑交響楽団さん、と上手なオーケストラの中で演奏させてもらい、この「パワーと技術」の究極の両立が必要な曲の難しさを実感させてもらってました。今回は他の2曲が「難曲」&「未経験(多くの人が)」ということもあり、「丁寧にさらっていきたい、紫苑さんの時のようにしっかり古典のニュアンスをフレーズに付けていきたい」と思いながら、やりきれなかった感は残ります。個人的には今年前半にもさらっていたので、音符は比較的よく拾えたし、5弦で弾かせてもらったこともありイケイケな演奏は出来たかな、とは思いますが。これでベートーベン「不滅の9曲」の演奏回数は、以下となりました。1番 :5回2番 :3回3番(英雄):5回4番 :5回5番(運命):6回6番(田園):3回7番 :2回8番 :4回9番(合唱):8回4番が5回って。。異常ですね(笑)。7番が2回しかないのも意外です。・「アメリカ組曲」珍しい曲ですが、実は滋賀医大オケで6年前に演奏してました。その頃はちょうど滋賀医大さんのベースメンバーが少なく(初心者の新人さんだけ)、1pultの表に座ったり裏に座ったりという時代で曲もよく覚えていたのですが、まさか再演になるとは(笑)。ドヴォルザークがアメリカ時代に作曲したピアノ曲を、後に本人自身がオーケストラに編曲したものなので、曲としては「新世界から」や「チェロ協奏曲」というドヴォルザークの創作の頂点の頃に作曲された名曲です。オーケストレーションも円熟期の本人によって施されていることから正に名人芸(神業)に近い響きがするのですが、いかんせん元がピアノ曲なせいか、速い動きを薄いオーケストレーションに委ねたりなど、オーケストラの演奏には難所となってしまう個所がいくつかあり、それがこの曲の演奏頻度を下げているのかもしれません。また、タイトルの「アメリカ組曲」も、有名な弦楽四重奏曲「アメリカ」と同様アメリカ時代に書かれたから、というだけで中身はチェコのリズムとアメリカ先住民らの旋法を融合させたもの、という体を上手く表せてなくて、表題でも損をしている感じです。演奏に関しては、3声部分割になるところがメンバーの突然のお休みで当日担当パートが変わったのにドキドキでしたが、コントラバスには3曲目の旋律の見せ場(聞かせ場?)もあり、楽しいものになったのではないかと思います。それにしても、どの旋律も素晴らしい。ブラームスが羨んだという、メロディーメーカーとしてのドヴォルザークの天才ぶりがよくわかる曲でした。・管弦楽のための協奏曲コントラバスを初めてようやく2年経った3回生の春に、京都市民管弦楽団さんの第30回定期演奏会にエキストラとして呼んでいただいて以来の演奏です。まぁこのややこしい曲をエキストラ体験2度目(1回目はその前の年冬の奈良女大オケ)に頼んだもんだ、と・・当時京都市民管でコンマスを務めておられた、故神前先輩とお近づきになれたのがこの時で、私がちょうど大学オケの総務をやっていた時分でもあり、現役の定期演奏会練習でのヴァイオリン協奏曲(シベリウス)の代弾きをお願いしたりとか、色々懐かしい思い出がこの曲、演奏会には絡んでいます。さらにこの曲は、横浜に転勤になった時分に麻生フィルさんの第18回定期に乗る予定で楽譜もいただいた記憶があるのですが、体調不良となってしまいキャンセルせざるを得なくなった(なので演奏カウントに入っていない)という因縁の曲でもあります。今回も体調不良者が出ちゃったし・・この曲はそれほど大変なのかもしれません。(笑)この「オケコン」(管弦楽のための協奏曲)、コントラバスパートにとっては「協奏曲」というほど大変な技巧の要求はありません。高音はG線1/2を過ぎてすぐのAまで押さえて、あとはハーモニックスでD線のFisを弾くこと、いくつかの2重音やスル・ポンティチェロ(駒そばを弾いて金属的な音をわざと出す)くらいです。速い動きや跳躍でいうとベートーヴェンの方がよほど難しい(笑)。ちなみに次回演奏予定のブリテン(青少年のための管弦楽入門)には、楽器紹介部分で完全なパートソロがあったり、プロコフィエフ(ロミオとジュリエット)では、G線の1/4の所の1音下のFを押さえて弾いたり、と今からパート練習を考えるとブルーな気分になる難易度です。オケコンより遙かにつらい。。それはさておき、今回のオケコンでコントラバスが本当に厳しかったのは、Vcとのオクターブユニゾン(冒頭)、さらにVaも加えた中低弦ユニゾン(3楽章終盤)の音程・バランスや、随所に見られる変拍子にめげず、コントラバスとしてアンサンブルやテンポをリードしていくことでした。そういう意味では、普段オーケストラの中で与えられている役割を果たすのに名人芸が要る曲でした。まぁ・・疲れました。・ルーマニア民族舞曲(アンコール)バルトークのピアノ曲を作曲者自身が小オーケストラに編曲したもので、実はこれまた遠い昔、「オケコン」弾かせてもらった翌年(4回生)に、今度は京都府立大オケ(現三大学合同オケ)のエキストラでアンコールとして全曲弾かせてもらって以来でした。実は今回のアンコール曲選曲ではこの曲の第1曲を推薦したのですが、決定したのは後半3曲。かすりました(笑)。。演奏の方では、曲中に難しい重音+分散和音があってやむなく分割演奏としましたのが心残りです。練習時間がほんとに少なくて、勢いだけに近い演奏でしたが、却ってそういう演奏の方がお客様ウケするし、こちらも余分な力が抜けていて良いのかもしれません。打ち上げはいつもの「豊川」。昨年は娘がアナウンス嬢をしてくれた&台風の関係で打ち上げは出ずにまっすぐ帰ったのですが、今回は満を持して(?)のノンアル参加でした。普段なかなかゆっくり話せない団員の皆さんとしゃべることが出来て(オーケストラは練習中にしゃべれないので、以外とメンバーとしゃべれない)楽しい貴重な時間となりました。残念ながら今回は翌日普通に出勤を予定していたので、早々に切り上げての帰宅となりました。次回演奏会は5月19日(日)に、同じく八幡市文化センター大ホールにて。ブラームスの交響曲第1番や青少年のための管弦楽入門など(八幡にしては)有名曲を演奏しますので、多くのお客様にお越しいただくよう頑張りたいと思います・・と言ってたら中曲がプロコのロメジュリ、しかも泣きそうな高音が出てくる曲がチョイスされてます・・さすが変態選曲の八幡です。。過去の演奏経歴です。通算319ステージ目。■ベートーベン:交響曲第8番 ・(2000/06)いさだホール室内管弦楽団/尾崎 晋也・(2011/02)墨染交響楽団/滝本 秀信・(2018/03)紫苑交響楽団/ゲオルギ バブアゼ■ドヴォルザーク:アメリカ組曲・(2012/12)滋賀医科大学管弦楽団/岩井 一也■バルトーク:管弦楽のための協奏曲・(1984/06) 京都市民管弦楽団/豊嶋 和史■バルトーク:ルーマニア民族舞曲から5,6,7曲・(1985/05) 京都府立大学交響楽団/加藤 完二(全曲:アンコール)八幡市民オーケストラでの演奏履歴(通算36ステージ目)です。場所は、ファミリーコンサートは男山公民館。それ以外はすべて八幡市文化センター・第28回定期演奏会 2006/10 (ファミリーコンサート)・やわた市民音楽祭 2007/1 (ヴェルディ:レクイエム)・第29回定期演奏会 2007/5 (ブラームス:交響曲第2番他)・第30回定期演奏会 2007/11 (マーラー:交響曲第5番他)・第31回定期演奏会 2008/5 (ショスタコーヴィチ:Vn協奏曲第1番他)・やわた市民音楽祭 2010/1 (平野一郎:八幡縁起、ベートーヴェン:交響曲第9番)・ファミリーコンサート 2010/7 ・第36回定期演奏会 2010/11 (ドヴォルザーク:交響曲第7番他)・室内楽演奏会 2010/12(兵士の物語から)・第37回定期演奏会 2011/5 (ブラームス:交響曲第4番他)・ファミリーコンサート 2011/7・第38回定期演奏会 2011/10 (ブルックナー:ロマンティック他)・八幡市文化協会設立10周年記念事業いきいきコンサート 2011/11 (魔弾の射手序曲他)・第39回定期演奏会 2012/5 (マーラー:交響曲第9番他)・ファミリーコンサート 2012/7 ・第40回定期演奏会 2012/10 (ドビュッシー:「海」他)・室内楽演奏会 2012/11(プロコフィエフ:五重奏曲前半他)・第41回定期演奏会 2013/5 (メンデルスゾーン:イタリア、「ローマの祭り」他)・ファミリーコンサート 2013/7 ・第42回定期演奏会 2013/10 (シューマン:交響曲第2番他)・室内楽演奏会 2013/12(Pirats of the Caribbian他)・第43回定期演奏会 2014/5 (ショスタコーヴィチ:交響曲第10番他)・ファミリーコンサート 2014/7 ・第44回定期演奏会 2014/10 (ブラームス:交響曲第3番他)・室内楽演奏会 2014/12(プロコフィエフ:五重奏曲後半他)・やわた市民音楽祭 2015/2 (チャイコフスキー:白鳥の湖から)・第45回定期演奏会 2015/5 (チャイコフスキー:交響曲第6番他)・ファミリーコンサート 2015/7 ・第46回定期演奏会 2015/10 (シベリウス:交響曲第5番他)・やわた市民音楽祭 2016/1 (平野一郎:八幡大縁起)・第49回定期演奏会 2017/5 (ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界から」他)・第50回記念定期演奏会 2017/10 (R.シュトラウス:「英雄の生涯」他)・親子コンサート&室内楽の集い2017 2017/11(J.シュトラウス:「美しく青きドナウ」他)・第51回定期演奏会 2018/5 (ラフマニノフ:交響的舞曲 他)・ファミリーコンサート 2018/7