ＲＯＯＭ １０４

　先日の試合結果について、あちこちでいろいろと言われてますな。いろんな人がいろんな事言うて。最近のスポーツでこれほど後味が悪かったのも、珍しいのではないでしょうか。

　まず、バッシング派。「判定がおかしい」って、どれだけの人が普段からボクシングを見て、判定方法を熟知しているのでしょう。方法はどうあれ、これがボクシングのジャッジであり、昨日今日のものじゃないのだから、そこに素人が口を出すものではないと思います。微妙な判定でも勝ちは勝ち。まあ、十分に作為的なものは感じますけどね。
　それに、相手に対してシンパシーを感じ、彼の母国に声援のメールを送るのはいいと思います。が、「あんたが本当の勝者だ」「あの判定は間違っている」とか、妙に媚びたようなニオイがするのも何だかイヤです。「敵の敵は味方」という言葉もありますが、なんだかなあ。

　そして擁護派。「あんまり亀ちゃんをいじめるな」「これをきっかけに強くなる」って、確かにそれも一理はありますが。また、マスコミが“亀たたき”みたいな雰囲気をあおっている（特にＴＢＳ以外のテレビ局）フシもあり、それに対して反論を述べたいのも分かりますが。
　ただ、「いじめている」というのはどうか。「いじめられる側にも原因がある」とは言いませんが、あの親子はバッシングを受けるに値するパフォーマンスでこれまでやってきたのではないでしょうか。格上の相手に挑発とはいえキューピー人形を渡したり、ハンバーガー食べながら記者会見したりとか、根本的なマナーというかしつけというか、人間的に尊敬されるものではないと思います。
　「敬語は自分が尊敬できる相手にだけ使えばよい」ではなくて、少なくとも初対面の相手にも敬語は使うべきです。それを子どもが見て、どんな影響を受けるのか。ま、１９歳のガキにそんなところまで気が回るわけありませんが、オヤジはそこをしっかりしつけんと。丸太切らせたり、砂浜で穴掘りさせる前に。

　で、亀ちゃんの試合翌日の発言がまたよくなかった。あれだけ苦戦しておいて「何度やっても勝てる」って。ビッグマウスにも程があるというか、逆にここでそれは寒いで、と。池乃めだかが新喜劇で「このくらいでかんべんしたろ」じゃないんだから。「あんな試合じゃ勝った気がせぇへん。もっぺんやって、白黒ハッキリさせたる」とか言えば、まだちょっとはカッコええかな。
　「言いたい奴には好きに言わせとけ」「バッシングを受けるのは注目されてる証拠」というのも、何だか逃げのセリフっぽいです。ともかく、これで株を下げたような印象です。

　しかし、レスリングといい、女子ゴルフといい、ここ数年（もうちょっとさかのぼれば「チチロー」のあたりから）「スポーツ親子」をテレビでやたら持ち上げる傾向が続いてますな。もう、その手法もどうだか。ワタシはハッキリ言ってうざい。別にオヤジがしごいて勝ち組になった、じゃなくても、もっとスポーツには感動ものの話があるんじゃないのか。