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2005.08.06
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テーマ:戦争反対(1190)
カテゴリ:
母に見習い、幼いころから平和運動に参加している。

八つか九つのころから三年間ほど、コチラの日本語学校に通わされていた。「日本語学校」といっても普通の学校のかわりに通うのではなく、週二回か三回、学年によって一時間とか二時間だった。「塾」ともいいがたい。

生徒は主にコチラで生まれ育った二世や三世の子で、アタクシが通いはじめたのは「二年生」か「三年生」だったが、三年生になっても四年生になっても五年生になってもひらがなさえ読めない子がいた。「すらすら教科書が読める」「普通に日本語で会話が出来る」のは妹と、アタクシと、あと高学年に二人いただろうか。毎年、学芸会などでは司会役に借り出された。漢字の学習や宿題などももちろんあって、もちろん休憩時間などはみんなでワイワイ遊んで楽しかったが、日常、家庭で日本語で暮していたアタクシ達にとっては、この授業はあくびが出るほど間が抜けていた。先生方は苦労したことだろうと思う。

そのころ、毎年この日本語学校の校長に選ばれ、原爆記念日に行われる儀式に参加させられた。浴衣を着せられ、下駄をはかされて、当時おない年だった被爆者の少女が書いた体験記の英訳を、ステージからマイクを使って何千人もの集まりに向かって読まされた。痛々しい文章を読み返す度に自分の肉も焼きただれて、友達の悲鳴が聞えてきそうになった。「喉が乾いた」「『水を下さい、水を下さい』と呻きながら死んでいった」「熱かった」「痛かった」...

毎年、怪我だらけの何名もの被爆者の生々しいカラー写真がポスターの様に引き伸ばされてステージのまわりに張り出されてあって、それが正視できないほど恐ろしかった。

「ゆっくり読んで、マイクから時々顔を上げてみんなを見回すようにしてね」とだけ言われていたので、顔を上げると、涙をボロボロながして聞いているおばさんがいてびっくりしたが、読み続けた。すぐまた顔を上げてもっとよくみてみると、そのおばさんだけではなく、他にも何人も何人も視線があう人はみんな涙ぐんでいたり、悲痛な表情に顔をしかめていたりした。前列でしゃがみこんで嗚咽しているおじさんもいた。

その少女達の文章は、それほど生々しく、衝撃的だった。幼心に「二度と無いように、なんとか、なんとかしなくちゃ」と強く思ったのを覚えている。切羽詰まった難しい表情のアタクシの写真が新聞に大きく載ってしまったこともあった。

祈るだけではたりない。行動にうつさねば。

でも、祈る。





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Last updated  2005.08.12 11:00:05
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タリア川の石

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