on the other side of the world

2005/08/12(金)15:29

ムーミンの秘書S、号泣

ムーミンは出張中なのに、秘書のSの事を心配している。今日、彼女はアタクシのオフィスで泣き崩れてしまった。 アタクシの秘書のPは最近パートナーと別れへこんでいる。そして、今日まで知らなかったが、ムーミンの秘書のSは最近離婚の手続きを始めたそうだ。大変だ。 Sはいつもニコニコ微笑して、毎朝「ハァーイッ!」と明るくて、日光が輝く様な人だ。そんなそぶりは全然みせていなかった。ただ「このごろ随分痩せちゃったな」とは思ったが、彼女はいつもと同じようにキビキビと元気だった。 だが、彼女はこの一年半、一週間に一度はムーミンに相談をしながら泣いていた、という。びっくりだ。ムーミンとアタクシは職場が同じでも部が違うので、耳にする噂や個人情報などが時々違うが、これは... アタクシは涙ホロホロの彼女をオフィスに引き込み、ドアを閉めた。 Sはアタクシがムーミンから聞いて知っているもの、と思っていたらしい。だが「なるべく内緒にしといてね、[アタクシ]には言っていいけど」と言われたムーミンは、同僚に言わず、アタクシにも言わず、ずっと沈黙をまもっていた、ということになる。 ちょっと感動したが、それよりもSがこんなに痩せちゃったのは苦労やつれなんだ、と思ったら、色々離婚する理由を説明する彼女の顔をみながら泣けてきてしまった。 こんなにやつれちゃって。 こんなに性格が良くて、明るくて、気立て良くて、人気物で、かわいい人なのに。 こんなにやつれちゃって。 思わず立ってハグしてしまったら、彼女はいっそう泣いてしまった。 なぜ仕事中にこんな展開になったかというと、彼女が出張中のムーミンのフライトや今晩のホテルの電話番号などの明細のコピーを作り、わざわざアタクシに持ってきてくれたのだ。 ムーミンはこういうことが苦手で、「明日の朝のフライト何時?」と聞いても絶対知らない。「あ?何時だろ?」という具合だ。 そんなことなので、彼女はいつもの様に気を効かせて親切にアタクシに教えにきてくれたのだ。 「あー、ありがとう!」とお礼を言ってそれを受け取った。 Sは、それをわたしてくれながら、いつもの微笑で「やっぱり今晩のフライトだめだったのよ、ムーミンはできれば今晩帰りたいからキャンセレーションリストに登録しといてくれって頼まれてたんだけど」といい終わらないうちに急に涙がポタポタたれてきたのでアタクシはびっくりした。 この時点でオフィスに入ってもらった。 どうしたの?と聞くと、その家庭問題のことを色々話し出した。 ええっ?大変じゃないっ?!と驚くと、「ムーミンから聞いてないの?あの人、そんなに秘密にしてくれてたの?」と言って嗚咽しはじめてしまった。 「泣いたりして、ごめんね」とSは泣きながら謝った。 「なぜこんなことで泣けてきちゃったか、わかる?ムーミンはいつも私に言うのよ、『出来るかぎり、家に早く帰れるように旅程スケジュール組んでね、[アタクシ]が寂しがるし、僕も放れてるのやだし』って、わかる?貴方たちそんなにお互いを大事にしてるんだな、と思ったら自分の状況が情けなくなってきちゃってね」 アタクシ、やっぱりちょっともらい泣き。 お茶を入れて、二人ですすった。ちょっと落ち着いたSはアタクシのオフィスから出ていく前に、またいつもの眩しい笑顔を整えてからドアを開けた。

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