2005/09/20(火)12:35
日童謡「青い眼の人形」
「赤い靴」ほど途方もなく異様な歌詞ではないが、これもとても切なく、幼心に残った童謡。
大正時代の日童謡の「赤い靴」に関連する「青い眼の人形」、同じく作詞は野口雨情氏、作曲は本居長世氏。
青い眼をした
お人形は
アメリカ生れの
セルロイド
日本の港へ
ついたとき
一杯涙を
うかべてた
「わたしは言葉が
わからない
迷ひ子になつたら
なんとせう」
やさしい日本の
嬢ちやんよ
仲よく遊んで
やつとくれ
人形が涙を浮かべたりしゃべったりしたらホラーの世界ではないのか??不気味だが、子供の頃は素直に「ああ、可哀想!」と同情したものだ。お人形ごっこなどそっちのけでウルトラマンごっこに明け暮れていたアタクシまで、「やさしく遊んで上げるのに」と浅はかに思ったものだ。
「赤い靴」にも青い眼が出てくる。
今では 青い目に
なつちやつて
異人さんのお国に
ゐるんだらう
青い眼。それしきの事に、どんなにゆすぶられたのだろうか。眼の色さえ違うのだから、世の見方もどれほど違うのだろう、という思い込みなのだろうか。
この歌を作られた野口雨情氏は、なぜこう悲しげな移民生活をほのめかす歌詞を書かれたのだろう。とてつもなく寂しい響きに滅入りそうになる。
「迷ひ子になつたら なんとせう」... アタクシも、コチラで言葉がまだ話せなかったころ、迷子になって子供心に本気で死ぬ覚悟をした事がある。