on the other side of the world

2007/06/30(土)13:23

ブルー・ムーンが喋る時

不真面目文学(34)

[画像・slowly, silently, now the moon / walks the night in her silver shoon] 熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな 額田王の凛々しい歌にぐっと来る。カヤック旅の月夜には必ずいつのまにか波打ち際で呟いている歌。 いくら明るい月でも、いくら潮が協力してくれても、月夜に漕ぎ出すのにはとても勇気がいる。だが彼女が 「今は漕ぎ出でな」 と言ったら、アタクシはだまって一緒に出航しただろう。 バイオルミネセンスで波が光る夜、アザラシが不気味に輝きながら遊んでいるのを見たのは流星群の夜。そんな夜は不思議な夢を見る。 英草様がブルー・ムーンのお話をしていらした。月に二度目の満月、とも言われているし、コチラでは「季節に四つ目の満月」を示す事もあるらしい。 この前のブルー・ムーンは2005年の八月。日本語の学習がてらココに書き始めた頃。 次は2008年の五月、その次は2010年の十一月。これらブルー・ムーンまでに少しは語学力が上がっています様に。 「極めて珍しい」という意味なのに、二、三年に一度ならそんなに珍しくないじゃない、という気もする。 コチラの民話ではブルー・ムーンの時だけ月に顔があり、月光の中の物に話しかける、という。月は銀色に輝く子供達にどんな事を言うのだろう。それよりも、どんな声なのであろう。 今晩のブルー・ムーン、日本はもう三十日。コチラはまだ二十九日。当たり前なのに不思議。アタクシはいつも「未来の国」の人と会話をさせて頂いている。 blue moon now i'm no longer alone without a dream in my heart without a love of my own エラ・フィッツジェラルド版とビリー・ホリデイ版が特に痺れるバラッド。 先月は「せっかくだから、満月まで」と海辺の旅行を二晩延ばしたんだっけ。

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